今年11月、昨年の同じ時期に比べ4倍以上の人々が、自分の避難・亡命申請を撤回した。幻滅を感じている多くの人達は、イラク市民だ。
イラクからの難民であるアリアド・エマド(Arshad Emad)さんとラスル・アブドゥルカリム(Rasol Abdulkarim)さんは、新聞の取材に対し「イラクでは、スウェーデンはあたかも、移民が住んで仕事をするのが簡単なように言われている」と述べた。
またエマドさんは、次のように語っている―「イラクでは、皆、スウェーデンについて話している。ニュースの中でも言われているほどだ。そこでは、永住許可を得られ、よい住居がもらえ、仕事もできるし、家族を自分のもとに呼び寄せる事もできる、そんな風に語られている。
しかし私には住居も仕事も、まだない。スウェーデンに来て数か月になるが、当局は、移民政策を大きく変えてしまった。今や自分の家族を呼ぶことも、できないだろう。」
今年、スウェーデンへ3300人が難民申請をしたが、実際の難民数は、もっと多いと見られている。多くの人達が、移民当局に単に届け出をしていないからだ。
同様の状況は、お隣のフィンランドでも見られる。フィンランド移民庁のデータでは、今年初めから12月8日までで、難民申請の41%が撤回された。難民達は、家庭的な理由からしばしばそうした決定を下しているが、多くの人達は「自分達の期待どおりにはいかなかった」と不満を口にしている。