合同委員会の委員長を務めるチャン・ギョンス少将の声明によれば、コロナウィルスおよび腺ペストの非活性サンプルは危険な細菌を発見し、特定するという人員訓練のために用いられたもので、こうした訓練が行われるのは烏山基地ではすでに16回目で、それまではソウル中心部の龍山(ヨンサン)基地で行われていた。
両国の軍部は韓国に持ち込まれたバクテリアは「人体にいかなる害も一切与えなかった」という声明を表したが、ロシア人軍事専門家のウラジーミル・エヴセーエフ氏は、こうした完全な機密状況でこのような演習を行うという事実自体が危惧感を招かないわけにはいかないとして、次のように語っている。
北朝鮮に対して使用しうる細菌兵器の製造のためという可能性は十分にある。
もしそうであるならば、米国はこの分野で効力を持つ条約に歴然と違反している。国の領域の外で細菌兵器を製造しようという米国の計画は、最も入念な分析を必要としている。米国は、ロシアが同様の兵器を開発しているとして、これをしょっちゅう非難しているが、実はこの開発を行っているのは米国のほうであることを確証する事実がますます露呈するようになってきた。」
米国が韓国にコロナウィールスを送りつけたことが発覚すると、北朝鮮の国連大使は今年夏、これは朝鮮半島で戦争が勃発した際に北朝鮮に対して生物兵器を使う目的があるのだろうとして米国を非難する声明を表している。こうした開発がまずは細菌が領内に存在する韓国にとって明らかな危険を伴うにもかかわらず、このテーマには未だに十分な注意がむけられていない。
現在米国は、近いうちにも韓国領内の米軍配備についての合意に変更が加えられ、そこに危険な細菌物質の運搬、その扱い、安全な無害化についての通知プロセスの明確な記載がなされるようになるとして韓国をなだめようとしている。だが不測の事態の保証はない。また「北の脅威」が去った後、細菌兵器の分野での米軍の実験結果がどう使われるのかについても、誰も何も言っていないのだ。