中国には、危機的状況を解決するために仲介役を務めた経験がある。中国外交は、スーダンと南スーダンの紛争解決に積極的に参加した。そして中国は今、アフガニスタンの政府と反政府武装勢力「タリバン」の代表者たちが再び会談する機会を設けるために活動している。シリア危機解決における仲介は、中国外交のこの新たな「トレンド」を強化する。中国の主な目的とは何か?中東の専門家スタニスラフ・タラソフ氏は、「スプートニク」のインタビューで、次のような見解を表している-
「中国は、シリア危機の政治的解決における独立した参加者であるために、ウィーンプロセスに真剣に加わり始めたようだ。なぜならこれはシリアだけでなく、中東全体の新たな地政学的な地図に関わるものだからだ。そのため、中国の行動が活発化したのは理解できる。中国は、中東およびアフリカにおける自国のグローバルな関心をより明確に示すようになっている。また中国の行動を、『シルクロード経済ベルト』プロジェクトの実現と切り離して考えてはならない。同プロジェクトは、中国を世界一の大国にする可能性がある。中国は、所謂『安定性』の政策を行い始めた。すなわち中東で2本脚ではなく、3本脚あるいは4本脚の椅子に座ろうとしているということだ」。
加えて中国は最近、高まる国際テロの脅威に直面することが増えている。そのため中国は、シリアからテロの脅威が拡大するのを防ぐための戦いに貢献することに関心を持っている。なお、中国がシリアの政府と反体制派の仲介を務める意向を表した日に、中国当局が初めてテロ対策担当官を任命したのも偶然ではないかもしれない。