これについて、モスクワ国際関係大学、国際調査研究所の上級研究員、アンドレイ・イヴァノフ氏は次のような考察を表している。
それ以来、状況は大きく変わった。それにソ連を敵視していた多くの国もロシアを敵とは見なしていない。全体として現在、ロシアは世界150カ国との間に完全にビザを撤廃ないし、緩和した体制をとっている。これが功を奏してビジネスの拡大や観光振興が図られた。
ロシアと日本にも互いへの関心が向上している様子は見て取れる。日本の実業界はロシアの条件に適応しており、西側の制裁とルーブルの下落が原因でロシアが経済問題を抱えている中にあっても、ロシア圏で居心地の悪い思いはしていない。ルーブル安といえば、このおかげでロシア行きの観光は著しく安くなり、観光客の増加に一役買った。円も安くなったため、日本を訪れる観光客も増えている。とはいえ、現在ロシア人は明白な理由で節約し、外国旅行の回数を大きく減らしてはいるものの、レジャーをあきらめるというのは難しい話だ。トルコがだめ、エジプトが危ないとくれば、暖かな海に行くには極東しかない。数日前、東京から着たばかりのある有名な日本人ジャーナリストは悩む私に沖縄のビーチは良いぞとサジェスチョンをくれた。かくゆうジャーナリスト氏もルーブル安のおかげで人生で初めてモスクワ中心部の豪華ホテルに宿をとることが叶ったと語っていた。
ロシアと日本はもうビザを撤廃する時期に来ているとは何度も言われている。なぜ日本企業家が韓国やイスラエルの企業家に比べて、ロシアへ行くチャンスが少なくなければならないのか? 日本人観光客はなぜビザ発行を待たねばならないのか? 米国には自由にいけるではないか。なぜなんでも米国で行なわねばならないのか? 米国は自国の連合国が他の国とつきあうのをやきもちを焼きながら見守っている。特につきあう相手がロシアとなると、それはライバル国なのだ。だが、米国の忠実な連合国である韓国もイスラエルもロシアとのビザ制度を撤廃しているのに、なぜこれが日本との間では出来ないのだろうか? 結局のところ米国の要請を無視し、大きな直径のパイプなど、取引が禁じられた製品をソ連に売ったほうが日本には利があったのだ。そして今、ソ連が忘れ去られた今、ロシアも日本もイデオロギーでは分け隔てされていないのだから、2国はビザの制限によっても分け隔てられることがあってはならないのだ。