仏製薬会社、新薬の臨床実験で国民規模の大悲劇

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仏製薬会社の行なった臨床実験で2人が昏睡、5人が延命治療を受けるという悲惨な結果になってしまった。臨床実験が行なわれたのは民間の実験室。しかも最悪なことに、この実験に自発的に参加した人の数は90人をくだらない。

悲劇が起きたのはレンヌの医薬品会社「バイオトライアル」が行なった鎮痛薬の新薬臨床実験の最中。「バイオトライアル」社は1989年創業の仏大手の製薬会社。おびただしい数の医療実験を行ない、数百種類の薬を開発し、確固たる評判を築いている。

新薬実験に参加した人たちは、実験後5日経過して、最初の症状を感じ始めた。6日目、そのうち1人が昏睡状態に陥り、脳死状態であることが確認された。さらに5人が危篤状態になり、集中治療室に入れられてしまった。

仏保健省のマリソル・トゥレン大臣は急遽レンヌに飛び、検察庁も捜査を開始した。開かれた緊急記者会見で新たな事実が明らかにされた。なんとこの実験には90人あまりが参加したというのだ。

トゥレン保健相いわく、「我々はさらに数名の患者から苦情を受けており、4人に神経系の問題が出ている。今のところ何の兆候もないという人もいるが、我々は実験に参加した全員を探し出すべく力を尽くしており、ホットラインも開設された。」

今のところ、どの段階で決定的な間違いが犯されたかは明らかにされていない。捜査にあたっているのは独立した3つの委員会で、この後、長期にわたる裁判が行なわれることは必至。

実験で被害にあった被験者らだが、昔は欧州政権は元植民地だった諸国の中で完全に無償で実験を行なうことを製薬会社に許してきた。しかも市民はこれを人道的な支援と受け止め、行過ぎた事態が起きたとしても、それについては口をつぐむというのが普通だった。

ところが現在、なにごとにおいてもしかるべき契約が結ばれるようになった。医師らは口をそろえ、患者は何が行なわれているかを熟知していたという。契約では実験が死に至る事態になることも想定されている。しかもそうなった場合、死亡した被験者の親族には一人当たり数万ドルの慰謝料が科されることになっている。

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