米情報機関 EUで「魔女狩り」とロシア人工作員狩りに取り掛かる

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米国の情報機関は、ロシアの工作員が欧州の政界に影響を与えた可能性について調査を開始する。英テレグラフ紙が16日、報じた。

英テレグラフ紙によると、ジェームズ・クラッパー米国家情報長官は、過去10年間にロシアが欧州の政党に資金を秘密裏に提供していた可能性について分析するよう議会から指示を受けた。

クラッパー氏の所轄官庁は、ロシアの情報機関が、EUの「政治的一体性を破壊」するために、欧州の政党や財団への資金提供に関与していたか、また欧州における米国のミサイル防衛の展開プロセスの阻止や、ロシアのエネルギー産業の独占という構図にも関与していたのかを明らかにしなければならない。

またテレグラフ紙によると、米国では、ロシアが対ロシア制裁の解除にこぎつけ、NATOにネガティブな影響を与えるために、欧州分離から利益を得る方針である可能性があるとして、懸念が高まっているという。

情報機関は、ロシアから資金供給を受けていた可能性のある欧州の政党名を挙げてはいないが、テレグラフ紙は、極右政党がロシアから資金提供を受けていたのではないかとの見方を表している。その中には、ハンガリーの民族主義政党「ヨッビク」、ギリシャの「黄金の夜明け」、イタリアの「北部同盟」、フランスの「国民戦線」などが含まれている。

またテレグラフ紙は、クリミアがロシアに編入された後に同地を訪れたオーストリアの議員たちにも、「ロシアの工作員たちが影響」を与えた可能性があると主張している。またテレグラフ紙は、オランダにおけるウクライナとEUの連合協定に関する国民投票の組織にも、ロシアが関与した可能性があると指摘している。

米国は自国の利益のために、これまでも所謂「ロシアの工作員」をめぐるスパイスキャンダルを起こそうとしている。1950年代初頭には、大勢の政治家や、ショービジネス界、科学、芸術分野の活動家たちが、ウィスコンシン州選出の共和党上院議員ジョセフ・マッカーシー氏が主導した所謂「魔女狩り」の被害にあった。例えば、理論物理学者のアルベルト・アインシュタイン氏は、1427ページにわたる書類の中で、 「無政府状態の構築を目指すドクトリンを普及している」として非難された。

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