チムールがいた農場経営者アイヴァズ・オヴォヤン氏の息子のアナトーリー氏の話では、農場にはズルムという名前の犬がいて、その毛色はほぼ虎に近い。チムールはこの虎に似た犬と一緒に餌を食べ、一緒に寝泊りしていた。
しかもオヴォヤン氏の話では、チムールは一緒に生まれ育った犬たちや他の動物に喧嘩を仕掛けていたというのだ。
アナトーリー氏いわく、「とにかくこのヤギはみんなをあっといわせたよ。外に出せば犬を打つし、犬の餌はとりあげるし、ヤギも打つし、羊なんか打ち殺したんだから。だからこいつは群れのなかにおいておくわけにいかなかったんだ。」
こんなわけでもてあました農場主はヤギをサファリパークに連れて行くことにした。
アイヴァズ氏は、「サファリパークに行こうとすると、あいつは自分から荷台に飛び上ったんだ。だから降ろすのはやめて、そのまま連れて行ったんだ。」
アイヴァズ氏は、「虎がこのヤギを食べることは決してないだろう。チムールは、誰かが痛い目にあわせたら、そいつに20倍の仕返しをしてやるように育てられたんだから」と話を締めくくっている。