専門家:我々は原油生産量を削減する時代に近づいている

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複数の原油生産国は、原油の供給過剰を考慮し、市場の安定化が必要であることを認めた。

原油価格が新記録を樹立した。米ノースダコタ州で、原油価格が生産コストを下回った。生産者たちは、最大の精製所に原油をひきとってもらうために、1バレル=約50セントを支払うことを余儀なくされた。なおその後、生産者たちの求めにより、原油価格は1バレル=1.5ドルに引き上げられた。しかし、それにしてもこの価格はあまりにも安い。なぜなら、この価格は、生産コストの一部と輸送コストのみを考慮して設定されているからだ。

コンサルティング会社の社長アンディ・リポウ氏は、RTのインタビューで、北米全土でこのような深刻な状況がみられていると主張し、次のように語っている-

経済学者:原油安は底なしのような気がする - Sputnik 日本
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「原油価格の下落によって、米国の大多数の原油生産者が苦しんでいる。しかし特にカナダへの影響が大きく、原油の採掘は非常に困難であるにもかかわらず、同国では企業が原油販売で1バレル=およそ9ドルしか得ていない。このような低価格の結果、テキサスでは約5万人が失業し、合わせてすでに約25万人が職を失った。失業者はさらに増える見込みだ。なぜなら原油価格が下落する中、この業界の多くの企業が倒産あるいは統合しているからだ」。

1月18日、原油価格は1バレル=28ドル台まで下落し、約13年ぶりの安値水準となった。イランが原油輸出を日量50万バレル増やす用意があると発表した後、原油市場は荒れている。複数の原油生産国は、原油の供給過剰を考慮し、市場の安定化が必要であることを認めた。例えば、オマーンは他の国に原油生産量の削減を呼びかけた。

分析センター「ポスト カーボン協会 」のリチャード・ハインベルク氏は、原油のこれほどの低価格について、誰にもメリットはないとの見方を示し、次のように語っている-

ブレント原油価格、2004年以来初めて1バレル31ドルを割る - Sputnik 日本
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「我々が、原油生産量を削減する時代に近づいているのは明白だ。これによって原油価格は上昇するのだろうか?短期的展望では、ノーだ。なぜなら現在、原油の需要はそれほど高くないからだ。むしろ1バレル=30ドルを割り込んだ価格では、需要を大幅に促進することはできない。これにより世界経済は今、『薄い氷の上』を進んでいると考えられる。原油価格が1バレル=80-100ドル、あるいはそれ以上になるまでは、同分野への大規模な投資には期待できない」。

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