ツィスカリーゼ氏にとって、東京は、ほとんど自分の家のようなものだ。ボリショイ劇場日本公演などで、これまで何度も東京を訪れた日数を合計すると、滞在日数は2年半にもなるからだ。一方彼の教え子達にとっては、初めての、そして重要な経験となる。
22日と23日、東京・渋谷にあるBunkamuraオーチャードホールで、ワガノワ・バレエ学校で学ぶ10歳から19歳までの若きダンサー達は、チャイコフスキイのバレエ「くるみ割り人形」を上演した。
ツィスカリーゼ校長は、インタビューで次のように述べている―
ワガノワ・バレエ学校の、日本公演は長い間、バレエファンに待たれていた。5年前の2011年にも計画されていたが、東日本大震災及び福島第一原発事故により、実現しなかった。
ファンの一人、コナカ・ミチオさんは「ワガノワ・バレエ学校の公演をとても待ち焦がれていた。本当に久しぶりだ。ワガノワの生徒達による『くるみ割り人形』は、日本のバレエファン全体にとって、長年の夢だった」と話している。
東京公演を前に、すでに一行は横浜、長崎、福岡で公演し、東京のあとは、宇都宮及び名古屋公演が控えている。またツアーの終盤では、日本文化の中心である京都での初めての公演もある。
世界で最も長い歴史をもつバレエ学校ワガノワの生徒達には、まだ年齢が若いのにもかかわらず、一人前の芸術家の風格がある。ここの生徒でいるためには、全身全霊を傾けることが求められるからだ。
この学校でロシア・バレエを世界最高水準に押し上げた多くのスターが学んだ。2年後にはこの中の誰かが間違いなくボリショイ劇場やマリインスキー劇場のダンサーたちの間で輝いているだろう。それゆえ今回の公演は「ワガノハ・バレエ学校が日本の観客のために与えてくれた、新たなスター誕生に立ち会う貴重な機会なのだ」と言うことができる。