選挙結果はイランの今後の内政・外政を決めるものとなる。投票ひと月前の勢力分布について、政治学者で東洋学者のウラジーミル・サジン氏が語った。
「マジュリス選挙では1万2000人が候補者登録されている。最終的に被選挙を許された候補者の名簿は2月の16日に出る。ここでキーワードは「許された」だ。登録者全員が監査会議という、候補者をふるいにかける権限を与えられた機関によって、ふるいにかけられるのだ。各候補者をめぐり、改革派と過激原理主義勢力の厳しい戦いが行なわれる」
イラン内外の政治学者らの下馬評では、改革派勝利の公算が大だ、とサジン氏。何しろ改革派のロウハニ大統領こそが、彼に先立つ12年間、いずれの政府も成しえなかったことをなしとげたのだから。そう、国際社会と「核合意」を結び、非常に厳酷な対イラン制裁を解除させたのである。ほぼ全イラン人が彼を支持し、また称賛した。
しかし、今のマジュリスでは、多数を占めているのは過激原理主義勢力だ。彼らは改革派に政権をゆだねる気はない。よって監査会議は、登録者の審査において、まず第一に改革派をふるいわけようとする。専門家会議についても事情は同じだ。今度選ばれる顔ぶれこそが、もし老齢のハメネイ師が辞任を決めた場合、新たな終身最高指導者を選ぶことになるかもしれない。よって専門家会議で多数を占めることが両勢力にとって非常に重要なのである。
専門家の評価では、大半の有権者、とりわけ都市部の有権者は、ロウハニ大統領を指導者とする改革派政府の活動を評価しており、改革派に票を投じる構えだ。しかし両選挙の結果を占うことは報いのない徒労である。あまりにも結果に影響する可能性のある要因が多すぎる。
しかし、とサジン氏。いずれにせよ、自由主義改革派または穏健派勝利の暁には、ロウハニ氏率いるチームに委任状が与えられ、政府はより活発に、社会の近代化および孤立脱却に向けた政策を展開できるだろう。そのことだけは確実だ。