新聞「ガーディアン」によれば、ジカ熱は、比較的無害だとみなされていた微生物が原因と見られ、妊婦がそれに感染した場合、赤ちゃんが頭の小さい状態で生まれる「小頭症」になる恐れがあるとの事だ。「小頭症」は、精神遅滞を引き起こす脳や頭蓋骨の大きさの異常で、赤ちゃんが通常よりも小さな頭で生まれる。
昨年2015年、ジカ熱ウイルス感染者は、アフリカおよびアジアから南米にまで急速に広がった。このウイルスは、Aedes aegyptiと言う蚊を媒体として感染する。今のところ、病原体が性的接触を通じて、人から人に感染するのかどうかは分かっていない。病気の症状は、頭痛や湿疹、発熱や関節の痛みなど比較的軽い。しかしウイルスに対する薬やワクチンも、今のところない。
オックスフォード大学のトゥルディ・ラング(Trudie Lang)研究員によれば「我々は、エボラ出血熱に別れを告げたばかりだというのに、すぐにまた、誰も予想もしていなかった疫病に直面している。我々には、薬もワクチンもない。まるで、以前見た悪夢をまた見ているような感覚だ。すべてエボラの時と同じだ。」
2015年ブラジルでは、新生児中に4千例も「小頭症」の発生が見られた。これは2014年及び2013年の30倍にも上る異常な数字だ。ブラジル当局は、今年夏リオデジャネイロで開かれるオリンピックまでには、ジカ熱の根絶を図りたいとしている。