ロシア科学アカデミー、東洋学研究所、朝鮮課のアレクサンドル・ヴォロンツォフ所長は日本のMD展開はイコール戦争寸前ではないとの見解を示し、次のように語っている。
「スプートニク」:日本のMD展開を受けて、こんどは北朝鮮はどんな態度に出るだろうか? ミサイル実験を止めるだろうか?
「仮に北朝鮮が何かをしようとすれば、これは何者も止められない。日本も中国もロシアも無力だ。もちろんロシアは、北朝鮮のそうした行為は地域の緊張を高めるとして、これを支持せず、非難するだろう。だが北朝鮮を抑えるようなレバーは誰も有していない。日米は中国が北朝鮮への経済支援を止めるよう望んでいるが、中国は未だにこの道を選んでおらず、この先も選ぶことはないだろう。」
「スプートニク」:米国はロシアと中国を対北朝鮮制裁に加わらせようと躍起になっている。ロシアは加わるだろうか?
「話を分けて考えねばならない。1つは国連安保理の採択する制裁だ。我々は常にこれに加わってきたが、それはこれが唯一合法的なものだと考えるときに限られる。
もうひとつ、米韓日によって一方的に採られる国別の制裁がある。当然のことながらロシアはこれには今にも先にも加わったことはなく、これは国連制裁の価値を損なうものであるため、正しいものではないととらえている。現在国連安保理では対北決議をめぐって取引が行われている。安保理では新たな制裁を発動させるため、意見のすり合わせが行われている。米国は相手の息をの根を止めるような強硬な制裁を望んでいるが、中国はよりソフトな案をおしており、ロシアは中国と合意にこぎつけた案を支持している。」
「スプートニク」:ロシアは北朝鮮情勢についてどういう評価をしているか? 北朝鮮では改革が進行しているか? ロシアの助力は必要だろうか?
「公式的な立場としてはロシアは北朝鮮に対して刷新と市場改革を呼びかけている。だがこれには力を貸す必要があると考えられている。なぜなら改革は朝鮮半島の平和と安定があって初めて行うことができるものだからだ。このため、ロシアは中国と同様、米国とは異なり、北朝鮮の軍事プログラムに反対し、民間経済には触れないような国連制裁だけは支持しないのだ。」