フィナンシャル・タイムズは、対ロシア制裁では対象が明確に定められており、制限の大部分は国営企業に関わるものだったものの、西側の投資家たちの懸念はロシア経済全体に拡大したと指摘している。英国の総合金融グループ「バークレイズ」と商業銀行「ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド」は、ロシアでの投資銀行業務から完全に撤退した。
ロシアは現在、再び国際資本市場への参入を試みている。ロシア財務省は、債券の取り扱いについて外国銀行25行とロシアの銀行3行に問い合わせを行った。
フィナンシャル・タイムズによると、アバディーン・アセット・マネジメント・グループの投資部門のマネージャーを務めるヴィクトル・サボ氏は、「この数か月、ロシアの有価証券の売買は好調で、投資家らは制裁が緩和されるのだろうか?と考えている」と語った。
また野村証券のアナリスト、ティモシー・アッシュ氏は、債券の発行について、欧米による対ロシア制裁の有効性に打撃を与えるだろとの見方を示している。アッシュ氏は、「もし国が長期的に安い値段で資金を提供できるならば、国が資金を順繰りに下へ移動させ、制裁の対象になっていようがなかろうがそれに左右されることなく国営企業に資金を与え、それによって国やその国の銀行ならびに企業の財政状況を緩和させるのを、何が妨げるというのか?これは制裁体制の金融部分に大打撃を与えるだろう」との見方を表した。