https://sputniknews.jp/20160219/1636271.html
なぜ日本は、ベトナムを「米中抗争」に引き込むのか?
なぜ日本は、ベトナムを「米中抗争」に引き込むのか?
Sputnik 日本
日本とベトナムは、南シナ海における二国間の軍事協力を強めている。 両国は、そうした協力について安全保障上のものだと説明しているが、現実として、それは地域の緊張を高める可能性がある。モスクワ国際関係大学国際調査研究所のアンドレイ・イワノフ主任研究員も、そうした見方を取る一人だ。 2016年2月19日, Sputnik 日本
2016-02-19T17:44+0900
2016-02-19T17:44+0900
2022-05-04T22:03+0900
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/105/02/1050222_0:125:2048:1284_1920x0_80_0_0_342b5647b08035053eef027b843a631b.jpg
中国
ベトナム
南シナ海
国内
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
2016
アンドレイ イワノフ
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/163/17/1631764_654:0:2565:1910_100x100_80_0_0_396026a329b359878d325103e22af0a6.jpg
アンドレイ イワノフ
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/163/17/1631764_654:0:2565:1910_100x100_80_0_0_396026a329b359878d325103e22af0a6.jpg
ニュース
jp_JP
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/105/02/1050222_0:61:2048:1348_1920x0_80_0_0_68892087367ec2ce8f55edcbd63a6057.jpgSputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
アンドレイ イワノフ
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/163/17/1631764_654:0:2565:1910_100x100_80_0_0_396026a329b359878d325103e22af0a6.jpg
政治, 国際, アジア, 中国, ベトナム, 南シナ海, 国内, 米国
政治, 国際, アジア, 中国, ベトナム, 南シナ海, 国内, 米国
なぜ日本は、ベトナムを「米中抗争」に引き込むのか?
2016年2月19日, 17:44 (更新: 2022年5月4日, 22:03) 日本とベトナムは、南シナ海における二国間の軍事協力を強めている。 両国は、そうした協力について安全保障上のものだと説明しているが、現実として、それは地域の緊張を高める可能性がある。モスクワ国際関係大学国際調査研究所のアンドレイ・イワノフ主任研究員も、そうした見方を取る一人だ。
イワノフ主任研究員は、スプートニク日本のインタビューの中で、次のように指摘している-
「日本とベトナムの軍事協力活発化の主な動機が、南シナ海・パラセル諸島周辺における中国の行動である事は、誰にとっても秘密ではない。ここに中国は、軍事基地や飛行場を置く事ができる人工島を作った。そしてつい先日には、米国Foxテレビが、領有権をめぐり係争中のパラレル諸島の一つの島、ユンスィンダオ(ヴディ)島に地対空ミサイル・システムHQ-9を配備したと伝えた。このミサイルは、ヘリコプターや航空機のみならず、巡航ミサイルや弾道ミサイルを攻撃するためのものだ。こうした行動は、見方によれば、この地域を中国が自分達のコントロール下に置く事を目指す、新たな証拠とみなす事もできるだろう。しかし実際は、もっとはるかに複雑だ。
中国には実際、この地域の隣国との間に、パラセル諸島の領有権をめぐる争いがある。意見の食い違いは、もう大分以前からの事で、それが解決する見通しは、歴史的に見ても又法律的に見ても、今のところ明らかではない。それゆえ争いは、中国とアセアン諸国の互恵的な経済協力を特に妨げることなく、さらに長引く可能性がある、
しかし、この争いのアセアンの側に、米国と日本が介入を決めた。これはそもそも、中国と争っているベトナムやフィリピンその他の国々の国益あるいは安全を憂慮しての決定ではない。単に米国と日本自身が、中国の影響拡大を恐れ、その抑止、抑え込みのために努力しているに過ぎない。まさに日米はそうした政策の枠内で、北朝鮮のミサイルを迎撃するためと称して、この地域にミサイル防衛システムを展開しつつあるのだ。
こうした日米とベトナム及び他のアセアン諸国との軍事協力の活発化は、反中国ブロック作りに向けたものである。しかしすでに今、この政策が、望まれている事とは正反対の結果をもたらし始めている。中国は、屈服するつもりはない。批判を無視し、中国は、南シナ海における自らの軍事プレゼンスを強化している。なぜなら、米国とその同盟国が、中国にとって重要な海上貿易・エネルギー供給ルートを遮断し、さらには海南島にある中国の主要な海軍基地を封鎖してしまう危険性があるからだ。
南シナ海での領土争いにおいて、米国と日本が、中国のライバルの側に立って加われば、状況が悪化するだけだという事は、全くもって明らかだ。そこには、勝者はいない。中国は後戻りする事はなく、この地域の自分達の軍事プレゼンス拡大を続けるだろう。ベトナム及びその他のアセアン諸国と中国の関係は、今後、今より緊張するだろうが、米国と日本は、そこから何の利益も得る事はない。そして彼らは、アセアン諸国を、中国封じ込めのための自分達の確実な同盟国として手に入れる事もできない。なぜなら、アセアンのどの国も、中国と最終的に対立し、自分達にとって利益のある経済関係を断ち切りたいと思ってなどいないからだ。
恐らく米国では、アセアン諸国を反中国連合に引き入れるゲーム全体が、アジア太平洋地域で自分達の影響力を保持する唯一の方法だと考えられているのだろう。そして恐らく、米国政府にとっては、この地域で「米国かあるいは中国か、どちらが主導権を握るのか」という問題が重要なのだ。しかし日本は、米国が気に入るように、中国が世界第一位の経済大国になるのを邪魔するだけのために、世界第二位の経済大国、つまり中国を敵に変えたくはないと考えている。それというのも、ロシアもそうであるように、中国は友人あるいは、せめて敵でなく、パートナーである事が、日本にとっては好ましいからだ。」