世耕氏は2005年12月に「日露若手国会議員の会」を設立し、会長を務めていた。若手国会議員の会は定期的に相互訪問し、両国政府に政策提言を行う等の成果を挙げていた。しかし同会のロシア側カウンターパートになっていた議員の多くが落選し、世耕氏自身も内閣官房副長官に就任し官邸入りしたことから、個人的にロシアへ行くことが難しくなり、しばらくの間活動は休止していたという。
世耕氏「私は官邸で安倍総理に常に同行し、日露首脳会談にも同席しました。そのような機会を通じて安倍総理とプーチン大統領の個人的な信頼関係が非常に強くなっていることを実感しています。二人の首脳の関係の深さに加えて、更に国会議員間の交流を強化をすることができれば、日露関係がより重層的になってくるだろうと考え、参議院自民党の有志で日露議員懇話会を立ち上げました。登録メンバーは30名、初回の会合には20名以上の出席者がありました。」
議員間の交流と言えば、日露友好議員連盟(会長・高村正彦自民党副総裁)が既に長い歴史を持っているが、世耕氏は日露議員懇話会をより機動性のある会にしていきたいと考えている。
世耕氏「日露友好議員連盟には歴史があり、超党派で野党の方々も入っていたり、ベテラン・大物議員もいたりして、正式な議員交流を行う格式の高い団体です。日露議員懇話会は、参議院自民党の中堅議員を中心に身軽に交流を行うことを重視しており、機動力のある会として、この懇話会を機能させていきたいと考えています。」
メンバー拡大の可能性も大いにある。立ち上げに際しては世耕氏が「軽く声をかけただけ」で30名が集まった。今後の勧誘により、人数はあっという間に増えると予想される。議員交流は、2013年4月に安倍総理がロシアを訪問した際に署名された「日露パートナーシップの発展に関する日本国総理大臣とロシア連邦大統領の共同声明」において、二国間の政治対話の重要な要素だと位置づけられている。日露議員懇話会はまさに、それを体現することになるだろう。