トランプ氏は、先に行われた第2戦のニューハンプシャー州と第3戦のサウスカロライナ州でも勝利したため、3度目の勝利となった。なお初戦のアイオワ州では2位だった。
米大統領選挙の共和党公認候補は、7月18日から21日にオハイオ州クリーブランドで開催される党大会で正式に発表される。
共和党の予備選挙は、パラドックス的な状況となっている。当初トランプ氏は抗議票に支えられ、共和党有権者の重要なグループを自分から遠ざけるアウトサイダー候補、代替候補だと考えられていた。3度の結婚暦を持つ大富豪で、その昔リベラルな価値観を擁護していたトランプ氏は、キリスト教信者から疎外されるはずだった。またトランプ氏が主張するメキシコとの国境に壁を建設するという案は、ヒスパニック系有権者の怒りを買うとみられていた。またニューヨークの実力者たちや、リアリティ番組のスターたちのイメージは、田舎に住む人たちにとって不愉快なものとなり、ライバルたちへの侮辱は、都会の人々に不快感を与えると思われていた。そして共和党のエリートたちは全員、トランプ氏に反対していた。
しかし実際のところ、トランプ氏はニューハンプシャー州ではリベラルな有権者たち、サウスカロライナ州では社会的に保守的なキリスト教福音派の有権者たち、そして今回は有権者の大部分がヒスパニック系アメリカ人を含む少数民族のネバダ州で、彼らの票を獲得し、勝利した。
またトランプ氏は3連勝した。トランプ氏は絶対的な人気者に様変わりし、そのメディアにおける優位性は、他の候補者たちがトランプ氏と戦うことを極めて困難なものとしている。