しかるべき法律の作成と導入について、州当局には、3年の期間が与えられているが、もし決まらなければ、最終的な決定は、住民投票に持ち出される。
2013年、スイス・チチノ州の住民は、公共の場でのパランジ(分厚いコートをすっぽりと頭からかぶるような形になるヴェール)、ニカブ(目以外の顔と髪をすっぽりと覆うヴェール)など完全に顔を隠してしまうイスラム伝統の女性の被り物の着用を禁ずるか否かをめぐり住民投票が実施され、賛成多数で、結局、そうした被り物の着用は法律で禁止された。
今のところチチノ州は、イスラムの伝統的な衣装の公共の場での着用が禁止されているスイスで唯一の州だ。
スイスのいくつかの学校では、学校当局のイニシアチブにより、宗教的なシンボルとなるような衣装の着用を制限している。なお先に伝えたれたところでは、サンクトガレンの学校の指導部は、ヒジャブを着用して授業に通っていた女子生徒との間で裁判沙汰となったが、スイス連邦裁判所は、女子生徒側の言い分を認める、つまりヒジャブ着用を認める判決を下している。