JBIC内でロシア以外の諸国の石油天然ガス部門を担当している谷本氏は、ロシア経済の抱える最大の問題は今に至るまで多極化が図れていないことにつきると指摘し、現ロシア政権はルーブルのレートが低下し、輸入が縮小した状況を利用し、国内生産を伸ばしており、石油価格の低下は大きな経済的多様性を産みだすためのチャンスに利用しうると語った。
谷本氏は、ロシア経済で進行している状況についての自分の評価はマスコミで流布されている評価とは異なると断った上で、マスコミはGDPの低下とインフレがあることからロシア経済が石油の低価格から打撃を受けていると報じているものの、ロシアがどうマクロ経済を調整、拡大しているかのほうが重要であり、これはロシアにおいては非常に成功しており、サウジアラビアやカタールなどと比較すると、ロシアの状況は大変安定していると強調した。