この「オイルプリンス」に発表された論文の筆者は、次のように指摘している―
「もしそうしたシナリオが動き出したなら、ロシアは事実上、基本的な産油国の間でリーダーとなる。なぜなら、世界の供給量の73%を引き受けるだろうからだ。
ロシアは、素晴らしい手際で、原油市場における現在の危機を背景に、新しい石油カルテル形成において主導的役割を占めるに至った。
新カルテル作りに向けた最初の一歩となったのは、ロシア、カタール、サウジアラビア、ベネズエラ4カ国の代表が集まり先月開かれた会合である。次の会合は、恐らく今月3月末にも、もっと幅広いメンバーで行われるだろう。
もしロシアとOPEC諸国が、二回目の会合で同意するような事になれば、ロシア政府は、自分のリーダー的地位を固める事になる。」
危機以前は、原油価格をめぐる状況では、サウジアラビアが主導権を握っていたが、価格が急激に下落した後は、サウジの影響力は著しく低下してしまった。