「ある情報によると、北朝鮮の第三の核実験では、核弾頭に使用可能な、相当小型の核爆弾が用いられた。今年2月の初めに重量200㎏もの衛星が打ち上げられたことも、北朝鮮の技術が進歩していることの証だ。『北朝鮮は熱核兵器の開発に取り組んでいる』との情報もある。しかし、こうした開発には、非常に多額の資金が必要だ。ゆえに、おそらく、今後数年間でこうした兵器が完成されることはない。しかし、北朝鮮は、核爆弾をブースト、つまり、強化することは出来るだろう。核爆弾の威力が20キロトン程度にまで高められる可能性はある。ただ、目下、北朝鮮は、緻密な大気の層を通る際に弾頭を保護するための耐熱コーティング技術に集中している。このようなコーティングがなければ、ミサイル本体の燃焼と損失は不可避である。この問題が解決されたら、次のステップは、弾頭の飛行試験を行い、遠隔測定データを集めることである。それなくして、弾道ミサイルを用いて核弾頭を正確にターゲットに届けることは出来ない。こうしたテストがすべて完了してはじめて、『北朝鮮は戦略的抑止力を手にした』と言える。韓国や日本は強力なミサイル防衛システムを持っている。自由落下型核兵器を持っていても、それで有効な攻撃ができるとは限らないのだ」
しかし北朝鮮は、ロシアと中国を含む国際社会全体の支持のもと採択された、国連安全保障理事会による厳しい制裁を受けている。こんな中でどうやって、核ミサイル開発に必要な技術を取得できるのか。エフセーエフ氏は次のように語る。
北朝鮮が核ミサイル開発を進めたなら、韓国領土にミサイル防衛システムが大規模に展開されることになるだろう。イスラエルのミサイル防衛システムによく似た、様々なレベルの兵器が配備される。そうなれば、朝鮮半島のミサイル軍拡競争は活性化するだろう、とウラジーミル・エフセーエフ氏は語る。