「原油取引が行われている。それ以外にトルコ人達は、ダーイシュに食料品やその他の必要物資を供給している。ダーイシュは、禁輸制裁のもとに置かれており、彼らに食糧を届けるのは容易ではない。また彼らには、金銭上の援助、武器・弾薬援助もなされている。」
ダーイシュの支配領域内での原油採掘は、プロフェショナルな産業規模で行われているといる事実は、今回押収され暴露された文書が裏付けている。
もしこの文書を信ずるならば、ダーイシュのもとで「運転手達」は原油を、1バレル=12ドルから26ドルで買っていた、との事だ。闇原油は、カビバ、ラジュラ、マクフル・アル-ヘイルといった油田から出荷された。
テレビRTは、同社のジャーナリスト達の調査をまとめた、ドキュメンタリーフィルムを現在編集中で、1カ月後には公開できるだろうと伝えている。
文書は、シリア北部の都市シャッダジの襲撃のさいにクルド人民自衛団(YPG)の手に渡り、その後、RT特派員に渡されたもの。またトルコ、サウジアラビアなどの戦闘員が捕虜になり、クルド人民自衛団にダーイシュとトルコの関係を証言した。
トルコ人捕虜によれば、過激派の多くがトルコ領から入ってきている。トルコ当局や国境警備も障害とはなっていないという。 「私が国境を越えたのは午前10時ごろ。制止するものはなく、自由に国境を越えた」とトルコ人捕虜。国境にはトルコ兵士が大勢いたが、テロリストに参加しようとする人の流れは妨げられなかった。 「これは地域の軍事的観点からは重要なことだ。しかし国境で私たちは誰にも制止されなかった」と捕虜。
これはトルコがダーイシュから利益を得ているためである。「トルコとダーイシュにはクルド人民自衛団(YPG)という共通の敵がある。トルコは自分がそれに手をふれたくないため、他人の手で敵を始末しようとしている」と捕虜になったイスラム過激派。
過激派が自由にトルコ領土を横断しているという事実を確認するため、クルド人戦闘員らは記者らに、リビア、チュニジア、バーレーン、カザフスタン、さらにはロシアなど、様々な国のパスポートの束を提示した。パスポートの登録地は、サラトフやボルゴグラード州、ダゲスタン。名義人は女性と男性の両方だった。これらパスポートの全てにトルコへの入国の痕跡がある。
ダーイシュに合流後、パスポートのかわりに宣伝文書が配布される。RTによれば、過激派の「オフィス」には「アサドの犯罪政権との闘いを完遂する方法」といった図書があり、こうした趣旨の本はよくトルコのイスタンブールでも発表されているという。