アメリカと北朝鮮 核戦争と交渉対話の間

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アメリカと北朝鮮 核戦争と交渉対話の間 - Sputnik 日本
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中谷元防衛大臣は、記者会見で「北朝鮮が自らの核兵器や、弾道ミサイル能力の増強を企図している。対米抑止力を過信している」と述べた。

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北朝鮮の発射場で、新型のICBMのエンジンの燃焼実験を行い、それが成功したと北朝鮮メディアが伝えた情報に対し、中谷防衛大臣は「仮に北朝鮮がこうした弾道ミサイルの長射程化、技術の向上をさせると同時に核兵器の小型化・弾頭化を実現した場合は、北朝鮮が、米国に対する戦略的抑止力を確保したという認識を、一方的に持つ可能性がある。仮に、北朝鮮がそのような抑止力に対する過信、誤認をすれば、北朝鮮による、地域における軍事的挑発行為の増加、重大化につながる可能性もある」と述べた。

朝鮮半島の問題に詳しいロシア人専門家のゲオルギー・トロラヤ氏によれば、今日、北朝鮮の指導部では、アメリカは北朝鮮との関係を、昔のソ連との関係をモデルにして構築しようとしているという理論が支配的である。それはつまり、お互いを滅亡させることが確実である、という危険性を基にしている。そして北朝鮮は、自国の核弾頭の威力増大をデモンストレーションするという戦略を選んだ。

これは、アメリカに交渉のテーブルにつかせるためであり、アメリカと何らかの妥協点を見出したいためである。このようにして北朝鮮当局は、他国が侵略・干渉をしてきた際、北朝鮮には自国を守るに十分な能力があり、単に圧力をかけるだけでは無意味であるという内容のシグナルを世界に向けて発している。しかしながら、このような政策をとるにあたっては、北朝鮮自身にも大きな危険性が及ぶとトロラヤ氏は指摘している。北朝鮮の核弾頭プログラムについて討議が行われたアメリカから帰国したばかりのトロラヤ氏に見解は次のようなものである。

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「危険性とはつまり、北朝鮮がアメリカを実際に攻撃できる能力がない、見せかけ状態であるうちに、アメリカ人が現行の状況に甘んじることができず、北朝鮮の核施設に対して、先制攻撃を与えるかもしれないということだ。このことにおいて、私と会話した専門家たちの大部分の意見というのは一致している。しかし、日本の防衛大臣の言及からは、北朝鮮が選んだロケット核弾頭による「恐喝戦略」というのは、ある程度の効果があるということが見えてくる。問題はこういうことだ。アメリカ人というのは病的なまでに、世界の中の誰かがアメリカに攻撃を仕掛けて被害を及ぼすことを、技術的に可能にしてしまうのではないかと憂慮している。このことは深くアメリカ人の精神の中に植えつけられている。なぜならアメリカ人は未だかつて一度も、自分たちの領土で戦ったことがないし、自分たちのことを「守られた大洋」だと見なしてきたからだ。そして北朝鮮は今、この痛い所に明らかに圧力をかけている。アメリカに憂慮を呼び起こさせ、彼らに何らかの手段をとらせるためだ。この何らかの手段というのは、北朝鮮が思い描いているところで言えば、交渉し、妥協を見出すことだ。

ある程度、この理論は生きている。1月初旬から、アメリカは静かに北朝鮮と対話を始める道を探しているのだから。ここにおいては、以前のように、核を放棄することに関しての前提条件さえも設けられていない。これはアメリカの立場において、肯定的な変化、雪解けといえる。北朝鮮が核の盾を利用して行うことができただろう挑発について言えば、これはむしろ、政治家と一般の人々を驚かせるためのものだ。

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ここ数年、北朝鮮はどのような扇動行為もしていない。そう、北朝鮮はプロパガンダ的な言動をしたり、プロパガンダ映像を流したりして、デモンストレーションとも言える練習射撃とテストをしているだけなのだ。まあしかしこれは、PR行動によって、広く注意を集めようとしているだけなのだ。実際には、世界や安全保障体制を脅かすような行動には出ていない。

しかし北朝鮮への様々な場所の攻撃を想定したアメリカと韓国の合同軍事演習はこれとは事情が違う。米韓合同部隊は、陸上部隊を北朝鮮に上陸させる想定演習をしているし、物理的に北朝鮮の上層部を排除するトレーニングもしている。」

朝鮮半島にアメリカ軍が最新軍備を配置していること、そして戦略的に爆撃機や航空母艦を配備していることは、北朝鮮のプロパガンダ風のおしゃべりに比べれば、朝鮮半島の安定化のためには全く容易ならぬ、重大なことだとトロラヤ氏は見なしている。

 

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