小さな集落をオスプレイが取り囲む恐怖…ヘリパッド建設問題、沖縄の決断は?

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沖縄本島北部の国頭村(くにがみそん)・東村(ひがしそん)にまたがって位置している米軍の北部訓練場をめぐり、政府・沖縄県・地域住民の思惑が交錯している。

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北部訓練場は総面積が7800ヘクタールにものぼり、ジャングル戦闘訓練センターとも呼ばれている。この一帯は「やんばるの森」として有名な森林地帯となっており、国の天然記念物、ヤンバルクイナやノグチゲラなどの希少種が生息している。

北部訓練場は、ベトナム戦争時には米軍にとってゲリラ戦のための格好の訓練場となった。当時、訓練のため猛毒・ダイオキシンを含む枯れ葉剤が沖縄に持ち込まれ、そのために健康被害を受けたと複数の米兵が証言している。ジャパン・タイムズ紙が米退役軍人省から入手した資料によれば、96年から2010年にかけて健康被害を訴えた米兵の数は132人にものぼるということだ。しかし米政府は、枯れ葉剤を沖縄に持ち込み、訓練に使用したことは否定している。日本政府も、この問題を突き詰めて調査することはなく、現在まで曖昧になったままだ。

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この北部訓練場は、1996年のSACO合意に基づき、過半(約3987ヘクタール)を返還することになっている。しかしその交換条件として、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を返還されない区域に6カ所建設しなければならない。6カ所中、2カ所は既に建設済みだ。北部訓練場の部分返還は当初2002年度末を目処としていたが、ヘリパッド建設問題が解決されないため、延びに延びている。しかし国はこの問題に決着をつけるべく、年内の部分返還を目指すと明らかにした。

沖縄県は難しい立場に置かれている。新しいヘリパッドが完成すれば、新型輸送機オスプレイが配備されるだろうことは明らかだ。このためオスプレイの配備撤回を掲げる県は、ヘリパッド建設に反対する住民たちの運動を直接排除することはしていない。しかし沖縄における米軍専用施設の面積を減らしたいという点では、皆の思いは一致している。翁長知事は今のところ、返還計画の賛否に関して「交通整理が必要」だとし、態度を明らかにしていない。

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ヘリパッドが全て完成すると、東村の高江の集落(人口約150人)は、ヘリパッドに囲まれるような形になってしまう。高谷の集落の住民としては、当然建設に反対だ。反対運動関係者は「東村としてはヘリパッド建設を認めています。基地を提供すれば交付金が出て、村の財政になりますから。沖縄本島最北部の国頭村の方は返還される部分が多いですが、東村はほとんど返還されずに訓練場が残ってしまいます。国頭村と東村の足並みが揃っておらず、そこに国がつけこんでいるのです」と話す。

工事現場周辺では、「ヘリパッドいらない住民の会」と、「高江ヘリパッド建設反対現地行動連絡会」のメンバーが座り込みで反対運動を行っている。メンバーの一人は、「政府としては我々の反対運動のために工事ができなくなっているので、これを排除することを沖縄県に依頼しています。この行政指導の求めに対し県がどのように対応するかが、目下の我々の問題です。」と話している。

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