与党の敗北は全く予想外だった。多くのアナリストは、憲法を書き換えるに十分なほどの圧倒的多数で勝利すると予測していた。これが実現しなかった理由について、ソウルのクンミン大学教授アンドレイ・ラニコフ氏は次のように述べている。
「大半が携帯電話を利用している時に、韓国のすべての事前世論調査が固定電話回線を介して行われている。しかし、韓国の法律では、世論調査を携帯電話を介して行うことを禁止していて、あまり正確な調査でなくなっている。しかし、与党の失敗の主な理由は、私は、セヌリ党の議員らが選挙の前夜に互いにあまりに激しく口論していたことにあると考える。勝利を確信した慢心から、いわゆる殺さぬ熊の皮算用で、大統領の支持派と反対派が論争を始めた。こうしたいざこざがプレスに取り上げられ、有権者はセヌリ党から離反、多くが投票を行わなかった。第二の重要な理由は経済。セヌリ党はスカンジナビア型の社会経済を構築するといういくつかの約束を忘れてしまった。例えば、教育費が低下させられていない。しかしいくつかの他の約束は果たされた。最近まで存在しなかった年金が大幅に増額された。幼稚園が無償になった。しかし、問題は、韓国は長く熱狂的な経済成長のもとに暮らしてきたが、それが今は終わったということ。しかるに人々が不満を抱きはじめ、若者の失業率の上昇や住宅政策の問題点について批判が上がり出している」
「敗北について有罪と見られる多くの党有力者がほぼ完全に排除されてしまった。つい昨日まで大統領選挙で党首キム・ムソン氏が当選する確率は70%と推定されていたのが、今ではほとんど不可能だ。どころか同党は有力候補を失ってしまい、今や唯一、現在の国連事務総長、パン・ギムン氏に望みをかけている。彼はセヌリ党から大統領候補として出馬する可能性が高い。しかし、大統領選挙に勝つ可能性は、野党側にも出てきた。そのため、大統領選挙は非常に興味深いものになるかもしれない」
政治的な若さにもかかわらず、野党共に民主党は伝統的に他党の基盤だった28中23地域で大部分の投票を制した。
さらに、野党のひとつ、民主党から独立した国民の党のアン・チョルス党首は、韓国の青年の間で高い支持を誇る。
また、任期2018年に期限切れを迎える現職大統領パク・クネ氏の立場は危うくなった。議会で過半数を失い、かつての野党との協力を余儀なくされる。