例えば、日本の財務省のデータによれば、2月の輸出は、昨年の同時期に比べ4%、3月は7%それぞれ落ち込んだ。日本製のスチールや半導体、金属加工機器に対する需要も弱まった。これは、円が再び強くなったことの結果だ。ロシアの経済誌「エクスペルト」の分析専門家、アンナ・コロリョヴァさんは、日本経済の状況が良いと言うには程遠く、満足のいくものとは到底言えないという外国の専門家達の意見に同意し、次のように指摘した―
「ここ数か月、日本経済の状況は、悪くなる一方だ。もちろん多くの点でこれは、世界全体のグローバルリスクや世界経済の側からの圧力と関係しているが、マイナス金利によるアベノミクスの肯定的影響については言うまでもない。日銀の代表者らは、マイナス金利は、よいインストゥルメントだと言っているが、結論を出すのは明らかに時期尚早だ。マイナス金利は、融資をサポートするために導入されたが、ここ3カ月、あべこべに融資のテンポは、ここ3年間で最もゆっくりしたものへと下がってしまった。ただ運輸関連は例外で 、前年比2%増加した。
対中国輸出は、この3月、7,1%落ち込んだが、日本の財務省によれば、こうした事は2カ月ぶりの事だった。最大の貿易相手国である米国への輸出も、5,1%.減った。
一方輸入の方は、3月全体でほぼ15%減った。輸入減は、すでに15カ月連続である。しかし分析専門家の中には、2017年までに日本経済が、多少とはいえ、回復を見せ始めると予想する人達もいる。しかしそうした事は、アベノミクスとは関係が無く、国際舞台での肯定的なシグナルと関係したものとなるだろう。」
最後に、アンナ・コロリョヴァさんは、次のよう締めくくった―
「世界経済の改善が進めば、日本のハイテク・知識集約型製品の需要が相変わらず高い以上、それによって、輸出及び日本製品に対する需要という形で、経済は一定の刺激を受けるだろう。日本は、他の国々と同様に、基本的にそうした方向から景気の改善を期待してよい。その際日本経済の国内的諸問題は、残ってしまう。そうした問題解決に向けた途上で多くの事がなされたとは言えないからだ。」