エインホーン氏はソウルにある学術センターのひとつ、峨山(アサン)政策研究院主催の会議、「アサン・プレナム」に参加した。エインホーン氏によれば、米国は一度として「核兵器を最初に使用」するという原則を支持したことはないものの、韓国と日本を支援するために必要であれば、核の先制攻撃を行う構えだという。
ロシア科学アカデミー極東研究所、朝鮮調査センターの専門家、コンスタンチン・アスモロフ氏はこうした現象が現われたということは十分に憂慮すべき兆しではあるものの、状況を大げさに捉えないほうがいいとして、次のように語っている。
韓国は北朝鮮が5回目の核実験の準備を終え、2月に発射したのはミサイルで、1万2千キロ先の的を撃ち落すことができるものだったと考えている。アスモロフ氏は、これによって専門家らの間には、北朝鮮は先制攻撃を行い、本当に米国を威嚇できると思い込む者がでてきていると語る。
「北朝鮮の核ミサイルプログラムがこれだけの勢いで発展していった場合、先制攻撃が必要だという米国の確信は強まるだろう。なぜなら米国にとっては北朝鮮のような国が米国の大陸部分に攻撃を行う可能性を持つといった状況は心理的に耐えられないからだ。こういった状況では国家権力は常に警護的な反応を始める。つまり複雑なことを行い、それによって取り返しのつかない誤りを犯すよりも保険をかけておいたほうがいいというわけだ。だが北朝鮮も自殺願望があるわけではない。ただ北朝鮮にとってはその核ミサイルプログラムはこんにち、米国からの保証がない中、唯一の保証なのだ。シリア、イラク、リビアの示した例は米国と合意を結び、なんらかの保証と引き換えに核プログラムを断念することが無意味であることを示している。このため北朝鮮にとっては核ミサイルプログラムは自国の独立を守り抜き、侵略を阻止するための唯一の道なのだ。北朝鮮は米国に対し、どんなに米国にとって気に入る相手ではなかったとしても、世界地図から抹殺できる国としてではなく、まさに交渉相手国であるとはみなさねばならないと分からせようとしてきたのだ。」