北朝鮮への先制攻撃は正当化できない

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韓国には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からの核の脅威があるとして 、米国はこれを理由に北朝鮮 に核の先制攻撃をかける可能性も排除していない。元米国務省武器不拡散管理問題担当補のロバート・エインホーン氏はこうした声明を表した。韓国の聨合通信が報じた。

エインホーン氏はソウルにある学術センターのひとつ、峨山(アサン)政策研究院主催の会議、「アサン・プレナム」に参加した。エインホーン氏によれば、米国は一度として「核兵器を最初に使用」するという原則を支持したことはないものの、韓国と日本を支援するために必要であれば、核の先制攻撃を行う構えだという。  

ロシア科学アカデミー極東研究所、朝鮮調査センターの専門家、コンスタンチン・アスモロフ氏はこうした現象が現われたということは十分に憂慮すべき兆しではあるものの、状況を大げさに捉えないほうがいいとして、次のように語っている。

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「韓国国民は米国人の発言を非常に自由に解釈することがある。だがエインホーン氏の北朝鮮に対する先制攻撃に関するこの発言だが、実際は新しいことはなんら語っていない。米国の軍事ドクトリンは常に先制攻撃に立脚している。それに米の核兵器がまず姿を現したのは朝鮮半島だった。米国は軍事ドクトリンでは一時、核による抑止ではなく、まさに先制攻撃を行う唯一の国だったのだ。そしてこんどは北朝鮮のほうが、米韓が自国の安全保障に脅威となった場合、これらに先制攻撃を行うと言いはじめたのだ。だが今、エインホーン氏の声明が出された後、北朝鮮には全世界に対してこの文言を鼻先に突きつけるすばらしいチャンスが到来した。それだけではない。先制攻撃には常に付きまとう問題がひとつある。その問題とはこの攻撃が正当なものであったことを証明せねばならないということだ。『(敵からの攻撃があったように)思えた』とか、『正しい情報が与えられなかった』からこそ、我々は核ミサイルを発射したのだといった論拠はここにはありえない。 」

韓国は北朝鮮が5回目の核実験の準備を終え、2月に発射したのはミサイルで、1万2千キロ先の的を撃ち落すことができるものだったと考えている。アスモロフ氏は、これによって専門家らの間には、北朝鮮は先制攻撃を行い、本当に米国を威嚇できると思い込む者がでてきていると語る。

「北朝鮮の核ミサイルプログラムがこれだけの勢いで発展していった場合、先制攻撃が必要だという米国の確信は強まるだろう。なぜなら米国にとっては北朝鮮のような国が米国の大陸部分に攻撃を行う可能性を持つといった状況は心理的に耐えられないからだ。こういった状況では国家権力は常に警護的な反応を始める。つまり複雑なことを行い、それによって取り返しのつかない誤りを犯すよりも保険をかけておいたほうがいいというわけだ。だが北朝鮮も自殺願望があるわけではない。ただ北朝鮮にとってはその核ミサイルプログラムはこんにち、米国からの保証がない中、唯一の保証なのだ。シリア、イラク、リビアの示した例は米国と合意を結び、なんらかの保証と引き換えに核プログラムを断念することが無意味であることを示している。このため北朝鮮にとっては核ミサイルプログラムは自国の独立を守り抜き、侵略を阻止するための唯一の道なのだ。北朝鮮は米国に対し、どんなに米国にとって気に入る相手ではなかったとしても、世界地図から抹殺できる国としてではなく、まさに交渉相手国であるとはみなさねばならないと分からせようとしてきたのだ。」

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