「本質的に大会では単に北朝鮮が従前の路線をとること、金正恩の時代が来ることが確かめられただけだ。経済と核の並行開発の必要性については既に語られていたことだ。北朝鮮は強力な打撃を与える準備ができている、ただし敵対者が攻撃してきた場合のみの話しだ、というのも、既に語られていたことだ。同様に建設的な対話の準備があることも、既に語られていたことだ。連盟形態での統合の推進も金正恩氏が考案したものだ」とロシアの専門家は述べている。
クンミン大学教授アンドレイ・ラニコフ氏も強く同意する。
「金正恩氏の演説では、取り様によっては改革続行への用意を示唆したものとも取れる発言もあった。しかし、ラジカルなことは何も言われなかった。本質的には、大会は次のことを確認するためのものだった。第一に、祖父金日成の時代における統治方法への回帰。軍を通じてでなく、党を通じての統治だ。第二に、新指導部が指名されたが、多くが新しい若い指導者を期待したにも関わらず、顔ぶれはまったく古いままだった。あらゆる大会の中で一番つまらないものだろう」
一方、36年ぶりに大会が行われたという事実は、北朝鮮の新指導者が民主主義の基準を遵守したいと考えていることの証だ。大会少し前に平壌を訪れたロシア科学アカデミー極東研究所コリア研究センターのキム・ヨンウン氏はそう述べた。
「(金正恩氏は)党を含むあらゆる権力機関が合法的であり、しかるべき大会や会議で選出されるように、定期的に大会を招集する(意向だ)。(演説で)軽産業や農業の開発についても言っていた。生活水準向上と消費者のニーズを満たすために資金が使用されるため、それは非常に重要だと思う。党の活動に関しては、私はもうひとつの注目すべき側面に注意を引きたい。北朝鮮の生活の中にあるミスや欠陥をごまかしてはならない。欠点を欠点と呼び、正す必要がある。それも誰かが言う前に、自分自身で」