米韓日の軍艦はイージスシステムを用いて弾道ミサイルの迎撃、破壊方法を策定する。朝日新聞は論説でこの演習について、アジアにおける日米のMDシステムに事実上韓国を組み込むものであり、中国からの抗議は間逃れないと書いている。ロシア人軍事専門家のウラジーミル・エヴセーエフ氏はこれについて次のように語っている。
ハワイの演習では弾道ミサイルまたは弾頭部分の飛行をイミテーションした標的の迎撃が行われるものと想定される。ところがこれは射撃場的な演習であり、いずれにしても実際の標的迎撃をシュミレーションすることはかなり困難なため、その効果のほどには私は懐疑的だ。それでもこの地域にレーダーを設置することで中国全土を、またロシアの一部を監視下に置くことはできる。このため韓国を米のMDに組み入れれば、どうしたって中国、ロシアの憂慮を招かないわけにいかないのだ。」
エヴセーエフ氏は中国、ロシアからのしっぺ返しなしに米国のグローバルMD構築が進むはずはないとして、さらに次のように語っている。
これでは、米国がこの地域にグローバルMDシステム構築にかける全ての尽力は無駄だということになるのだろうか? エヴセーエフ氏の見解では、ロシアにとってはレーダー設置はある種の問題を引き起こすおそれがあるものの、それでもそれはたいしたことではない。
「 レーダーが設置されれば弾道ミサイルの発射は地上からのものであろうが、海上発射であろうと明確にわかってしまう。だが、いずれにせよ米国の迎撃システムの高さはロシアの潜水艦の大陸弾道ミサイルの弾頭を邪魔しようとするなら、はっきり言って不十分だ。それでもロシアにとっては自国の境界線にそってMDシステムが作られるという事実そのものが容認できない。ロシアがもしアジアに脅威を感じる事態となれば、今、米が欧州に展開中のMDへの報復に似た効果的な措置をとることは可能だ。」