1974年、米国経済に打撃を与えた世界的な石油危機を背景に、当時の米国のウィリアム・サムソン財務長官は、ジェフリー・パスキ副長官と共に、中東及び欧州各国を歴訪した。
この歴訪の主な目的は、サウジアラビアのジッダを訪問だったが、この事は極秘にされた。サウジ訪問では、経済的な武器としての原油の中立化を図ることが、最大の課題だった。
サムソン財務長官が選んだシナリオの主な枠組みは、次のようなものだった:米国は、サウジから原油を買い、同王国に軍事援助を与え、物質的技術的保証を与え、その見返りに何十億ドルものオイルマネーを受け取る-というシナリオだ。
現在明らかになった取引の総額は、1170億ドルにのぼっているが、匿名を条件に取材に応じた米財務省の元職員の証言では、サウジアラビアは、事実上、その倍の投資をしたとのことだ。