日本のテニスファンも含めたシャラポワ人気の秘密について、ロシアテニス連盟の総裁でIOCのメンバーのシャミリ・タルピシェフ氏はスプートニク通信からのインタビューに次のように語っている。
「マリアの運命は非常に興味深いものだ。まだ幼い頃に彼女はトレーニングを受けるためにソチから米国へと向かった。ところが今に至るまで彼女の国籍はロシアのままだ。マリアの祖母も未だにソチに暮らしている。そのソチのテニスコートでマリアはユーリー・ユトキンというすばらしいコーチについて、最初の一歩を踏み出した。マリアがテニス人生で積み上げた功績はどんな賞賛でもあらわしきれるものではない。彼女が勝ち取った生涯グランドスラム達成。現役のスポーツ選手の中でこれができた者はほんの僅かしかいない。つまりこれは、彼女は自分のプレーで大成功を収めたということを示している。マリアのテニスは攻めの一手だ。彼女はあらゆるラインでパワフルなプレーを展開し、相手を叩きのめすのを好む。以前、クレーコートでの試合では、マリア流のテニスではそう勝てないとささやかれたことがあった。クレーが球のスピードを吸収してしまうというのがその理由だった。しかも彼女の身長がかなり高いことから、勝ちをもたらすには技術は不十分ともいわれたことがあった。ところがマリアはどんな材質のコートでも同じように見事にプレーができることを証明。そうして数々の勝利で世界のテニスエリートの堂々たる仲間入りを果たしたのだ。」
「マリアは偉大なテニス選手だ。それにマリアは自分のキャリア人生でただの一度も信用を損なうようなことはしていない事実を考慮すべきだ。罰金を払わされたこともない。ネガティブな反応も一切出したことはない。スポーツ選手どうしや選手とレフリーの間で時に起こるような相手を傷つける発言も行ったことはない。彼女のすばらしい特徴は自分を抑えることができ、しかも魅力を保つことができるところだと思う。シャラポワが広告契約数でダントツなのも偶然ではない。ドーピングスキャンダルで起きたことはおそらく過失の結果であり、彼女が故意に行ったことではないと思う。時間がたてば彼女の申し分のない行動やテニスに賭ける熱狂的な姿勢が考慮され、起きたことのすべては忌々しい誤りだったことがはっきりすると思う。我々は彼女が大好きで、値打ちを知っており、尊敬している。たくさんの人が彼女にようになりたいとあこがれている。マリアが一時的に参加できないことで女子テニスは多くを失ったと思う。なぜなら観客はウィリアムズの試合もシャラポワの試合も同じように見に行こうとするからだ。シャラポワはロシアのテニスのスターだ。スターとは常にそのスポーツの魅力を高める存在であり、その結果、その種目は広く普及していく。その選手を見にみんなが試合に足を運ぶ。シャラポワのおかげでテニスの魅力は子どもにまで浸透している。スポーツが広く普及すれば新たなスターが生まれる。だからこそ、今シャラポワに起きていることはなんとも不名誉なことであり、忌々しい誤りなのだ。」