同氏のファンド「ソロス・ファンド・マネジメント(Soros Fund Management LLC)」は、金や金採掘企業株の買い付けを開始した。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、この動きは、ソロス氏の悲観的な感情を物語っているという。金は通常、有価証券が値下がりし投資家たちが安全なセーフ・ヘイブン(安全資産)である貴金属を探す「ベアマーケット(弱気市場)」の時に買い付けられる。
過去6ヶ月間でソロス氏の気分は悲観的な方向へ変わった。それは主に中国経済の鈍化や欧州の政治的軋轢(特に英国のEU離脱の可能性)が原因となっているという。
ソロス氏は1月、通信社ブルームバーグのインタビューで、中国経済の「ハードランディング」の可能性について述べ、その原因は資本流出や多額の債務となると語った。ソロス氏は、中国の経済危機は最終的に世界の株式市場における相場崩壊につながると警告した。
ソロス氏は、ジム・ロジャーズ氏とクォンタム・ファンド共同設立した1970年代に財産を築いた。同ファンドは設立から10年で4200パーセントの収益をもたらした。なお米国のS&P指数はわずか47パーセントの上昇だった。