「今日、多くの人が、非常にたくさん働いている、ということを忘れてはならない。休暇までは、彼らはロマンスどころではない。人生は家族や仕事だけに制限されている。したがって、状況が変化したとき、ある人は目が開き、第二の息吹が生まれたように感じる。人々は感覚的刺激に対しより開放的になる。すなわちリゾートロマンスには常に一連の客観的要因がある。家族の世話や仕事の責任から離れて、人は、全く異なる感情的音調を持ち、それが自動的にありとあらゆる喜びや冒険を生み出す。その中にはエロティックなものも含まれる。同時に、いわゆるプロの「ロマンス屋」もたくさんいる。彼らは自分のために事前にリゾートロマンスを計画している。良い休暇という自分のイメージにはそれが入っているからだ。」
10年前にはリゾートロマンスのうち離婚まで発展するのは全体の3%だけだったが、今は状況が変化している、とレフ・シチェグロフ氏。
「時は恋愛関係の上にも自らの痕跡を残す。ソ連時代には、離婚は今日より大きな問題だった。党から除名され、キャリアが制限され、国外追放される可能性があったため、不倫が公けになることは恐れられていた。つまり浮気は不道徳な行為とみなされていた。そのため、人々はより慎重だった。つまり、今日と同じように、結婚外の恋愛関係はあった。しかし、通例それは離婚にまではつながらなかった。しかしながら、今のロシアの状況は根本的に異なり、上司を含め、誰も、あなたが離婚した回数など気にしない。つまり、そのようなことはキャリアにいかなる影響も及ぼさない。したがって、今日のロシアの現実は、リゾートロマンスが遥かに広く普及している。」
世論調査が示すところでは、浮気が一番多いのは男性の医師。しかし、多くの人が考えるように性科学者や婦人科医ではなく、外科医と心臓内科医だ。彼らは、基本的に、職場で恋の冒険を行なう機会を大量に持っているのだからリゾートロマンスを必要としてさえいない。しかし、経営者その他オフィス勤務者、特に男性集団の勤務者にとっては、休暇のリゾートロマンスは立派な冒険だ。しかし、必ずしも軽薄なものとは限らない、とレフ・シチェグロフ氏。
「すべてはその人の個人的な資質と動機に依存する。ある人は軽いロマンス、事件を求め、家族の懐中へ戻り仕事に没頭するとすぐに忘れる。そして、別の誰かは、状況に強いられ、はじめからその家族生活に不満で、仕事が多く、新しい関係を構築する時間が全くないのかもしれない。そのような人にとってリゾートロマンスは深刻な関係に発展する可能性があり、終いには強い家族の絆が生まれる可能性がある。」
ロシアに財政的に夫に依存しないビジネスレディが出現したことにより、また現代社会全体の女性の自己評価増大に伴って、リゾートロマンスは男性の特権ではなくなった。
リゾートロマンスというテーマはロシアでは非常にポピュラーであり、歌にもその反映を見出せる。たとえば、有名な歌手のトロフィームが歌うこのようなポピュラーソングがある。