いかに 米国を気にせずに露日関係を構築するか?

© Дмитрий Астахов / メディアバンクへ移行セルゲイ・ナルィシキン露下院議長、前原誠司外務大臣
セルゲイ・ナルィシキン露下院議長、前原誠司外務大臣 - Sputnik 日本
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訪日中のセルゲイ・ナルィシキン露下院議長は日本に対し、対露関係はこれを阻害しかねない第3国の意見に耳を傾けることなく構築するよう呼びかけた。ここ数ヶ月の経験は、これは困難ではあるものの実現不可能ではないことを示している。

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ナルィシキン氏のいう「第3国」とはもちろん米国だ。米国は日本にとっては主たる軍事政治同盟国であるため、米国の方を見ないということは日本の政治家には単に不可能だ。このため米国のアジアにおけるMD展開、より正確に言えば日本領土における米MD展開に協力もしている。ところがこうした行為が、ナルィシキン下院議長が公明党幹部との会談でずばりと言ったように地域のパワーバランスや出来上がっている安全保障システムを破壊するためにロシアの非常に大きな憂慮の念を招いている。

日本が米国とMDをはじめとして協力しているのは、それを中国抑止戦線をつくろうとする米国が強要しているからだけではない。日本人自身も中国の尽力を恐れているからだ
外からの攻撃、あるいはテロに対する恐怖はここ数年、国際政治の主たるファクターに留まらず、暴力的行為を正当化する言い訳にもなっている。たとえばサダム・フセイン氏の所有する大量破壊兵器(といっても、結局それは見つからなかったが)への恐怖からイラクへの軍事侵攻は正当化された。

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そして今、米国率いる西側諸国はアジアにおける中国の脅威、欧州におけるロシアの脅威を盛んに煽っている。中国の攻撃性を証明するのは南シナ海におけるその行動だ。だが中国があつかましく振舞う理由は係争諸島周辺の天然資源を我が物にしたいからではなく(これがゆえに近隣諸国との関係を台無しにする価値はない)、米国が中国抑止、孤立化路線をとったことを目にしたからだ。

だがロシアが悪者なのは1990年代の経済、社会、政治カタストロフィー後、息を吹き返し、ロシアにだって独自の国益があり、これは米国の国益とは全部が全部一致しないと主張し始めたからなのだ。このためにロシアは償うことのできないあらゆる罪業(他人の分まで含めて)の張本人として糾弾され始めた。2008年はグルジアに対する軍事侵攻で責めたてられた。とはいえ、これはグルジアが南オセチアに最初に攻め入ったのだったが。そして2013年末、ソチでの冬季五輪を台無しにする目論見でロシアでは性的少数者が差別されているとして大々的な騒ぎが起こされた。これもロシアでは児童間でこうした性的少数者のライフスタイルを宣伝することが禁じられただけの話で、ところ変わってサウジアラビアなど性的少数者であれば首切りの刑に処せられているのだが。これに対しては、そういえば西側は口をつぐんでいる。それから極めつけはクリミアの「併合」だ。とはいえこの「併合」をクリミア半島の住民の9割が切望したのだが、西側の自由と民主主義の擁護者らはこれを見ようともせず、今度はロシアがバルト諸国に攻撃を仕掛けるぞと脅かし始め、ロシアと国境を接する諸国にNATOの兵員を増員している。

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