裏千家のお茶会25周年、モスクワで感じる日本の涼 【写真】

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17、18日の両日、モスクワの植物公園内にある日本庭園で、裏千家の夏の茶会が開かれた。裏千家淡交会は海外に多くの支部を有しており、ロシア・モスクワ協会は東ヨーロッパで最大規模にあたる。サンクトペテルブルグ、エカテリンブルグ、ロストフ・ナ・ドヌーにも支部がある。夏の茶会は、唯一外部のゲストが参加できるイベントで、今年で25周年を迎えた。
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裏千家のお茶会25周年、モスクワで感じる日本の涼

裏千家淡交会モスクワ協会は1991年に正式に開設した。その3年後には裏千家とモスクワ大学の間で友好協定が結ばれ、裏千家は茶室と茶道具一式をモスクワ大学に寄贈した。茶室は、日本の数寄屋大工によって大学内のアジア・アフリカ研究所に建設された。そこで長きに渡って指導したのが、茶道教授の西川宗篤(にしかわ・そうとく)氏だった。今では、西川教授の教えを受けた、日本文化を愛するロシア人たちが稽古に励んでいる。

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モスクワ日本庭園の中にはメインの茶室とサブの茶室が設けられた。メインの茶室では千利休、茶道の心得である「和敬静寂」の考え方、日本人のメンタリティなどについてのレクチャーを聴きながら、お点前を見学し、抹茶とお菓子をいただくことができる。

「日本人は伝統を大切にしよう、などとは意識していません。何故なら彼らは伝統の中に生きているからです。もし伝統が既に生活の一部であるならば、それを意識する必要など無いのです。日本では美しさと美味しさは共存しています。今回のような夏の茶会、立礼(りゅうれい)式では、夏草や湖、川といった、涼しさをイメージさせる菓子が用いられます」といった説明がされ、参加者は熱心に聞き入っていた。

サブの茶室では、朝から晩までノンストップで様々な種類の点前を見学することができた。水墨画と書道のマスタークラスや、会員が持ち寄った茶道具のコレクションの展示もあった。この日の日本庭園への入場は事前に券を購入した茶会の参加者のみとなっており、都会の喧騒を完全に忘れるほど、静かで快い時が流れていた。

今回のお茶会を主催したのは、モスクワ大学で日本文学を教えているアナスタシヤ・クドリャショワ准教授だ。クドリャシェワ教授は京都で茶の湯の修行をした経験もあり、学内の茶道教室で教えている。

クドリャショワ准教授「これはロシアの皆さんに、直接日本文化に触れていただく、ユニークなイベントです。私たちはもう25年も毎年、夏のお茶会を開いています。この茶会は参加者の皆さんにとても愛されていて、25年連続で来られた方もいるのですよ。最初に来たときは、その人はベビーカーに乗っていましたけどね、今ではすっかり大人です。またこの茶会は、私たちにとって、日頃の稽古の成果をお見せすることのできる貴重な機会でもあります。茶会では皆が一丸となって、チームで働きます。そして、私たちを指導してくださった、西川宗篤先生のことをあたたかく思い出します。西川先生は、ロシア、そして東ヨーロッパに、茶の湯の道を開いてくださった方です。91年、私たちがまだ若い学生だった頃、茶道に大変興味をもって、学び始めたのです。西川先生が教えてくださった調和、清廉、互いへの尊敬の気持ち、茶道への愛といったものを、伝えていきたいと思っています。」

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