これをめぐる騒ぎはフィリピンが訴訟を起こした時に始まった。国際法は平和的に紛争を解決するためにこそ存在するのだと思われた。しかしこのケースでは、国際法に訴えることが、紛争を危険なまでに悪化させた。
米国は南シナ海における民間および軍事船の自由航海の権利を主張している。中国はそこで海軍演習を行い、挑発的な振る舞いをとれば後悔することになる、と米国に警告している。
仲裁手続の開始そのものが両当事者の同意を必要としているが、それが得られなかった。中国はすぐに判決を認めないと述べた。国際法に基づいて行動しようとする試みが逆効果であるというケースであるようだ。ハーグ裁判所の今後の判決は地域の状況を悪化させるのみだろう。