任天堂の発表ではポケモンのロシアでのリリースは秒読み段階。しかもポケモンのロシアでの成功は間違いない。前もって個人トレーナーを雇い、ポケモンを探すための最高のスキルを得ようとしているロシア人もいる。このゲームの現象はいったいどういうものなのか？
「ゲームの目玉は、これがユーザーにソファから立ち上がらせ、どこか新たな場所に行かせる巨大なインタラクティビティを与えていることだ。ほとんどの場合、開発チームはポケモンを安全でしかも訪れて面白いところに配置する。それはたとえば町の中心や、なにかしらの観光スポットなどだ。しかしもしその場所に、自分のスマートフォンとポケモンの捜索に没入している人が一気に大挙したら、彼らが事故や盗難など何かしらの事件に遭うリスクは増加する。また、次のような場所に人の大群を送ってしまうとどうなるか？ たとえば、工事現場やパレード、お祭の会場など、こういう場所には集団の大挙が好ましくない。美術館や寺や教会、史跡など、エチケットを守った行動が求められるところも困る。社会倫理と安全の観点から、のちのちゲームの規制システム問題が発生するのは避けられないだろう。ただポケモンGOは現れたばかりで、それらの問題はまだ積極的に姿を現していない。ロシアの貯蓄銀行（ズベルバンク）が、ポケモン捕獲中に受けた怪我に対する保険をすでに用意したというのも偶然ではない」
ゲームによる怪我は、実際にすでに起こっている。あるプレイヤーは水ポケモンを捕まえようとして池に落ち、さらに2人がポケモンを追いかけて崖から落ちた。ポケモンの熱狂的ともいえる人気はこの先どれだけ長く続くのか興味深い。そして、何かしらの年齢制限は起こる可能性はあるのか？
これについて、スタトゥト最高経営責任者は次のように述べている。
「今、断定できるのは、このゲームは一過性のものには終わらないということだ。また、ポケモンGOの商業的成功の波に乗じて拡張現実ゲームが群れとなって現れた。なぜならインターネットの検索数でポケモンGOは、常に検索数トップであったポルノを含むほかのサイトをすでに上回ったのだから。それゆえ任天堂の株価は70％上がり、莫大な収益がもたらされた。これはもう一過性のものには終わらない。ポケモンGOは長く生き残ることが証明されたのだ。年齢制限と依存症の問題に関していえば、どんなホビーでもそれがどれだけ肯定的もしくは否定的な影響を与えるか否かは常に個々の人間によって異なる。何かしらの否定的な要因があるにもかかわらず、ゲームやデジタル現実は、われわれの未来だ。そして、われわれがそれに対しどう接するかにかかわらず、子どもはそのデジタル時代の未来で生きていかなければならない」
ロシア人心理学者で実践心理学・精神分析研究所の局長であるユーリー・オゼロフ氏はこれについて次のように述べている。
「人間の注意は一方にしか向かない。手にスマートフォンを持った状態ではわれわれは注意力を欠き、空間認識能力を失う。任天堂は場所によってはゲームが危険であることを警告するなど、何らかの社会的責任を追わなければならないと思う。しかし一般としては多くのゲームは有益だ。子どもはゲームを通じて世界を学び、認識する。そしてロシアでゲームが普及するかは、ロシアがポケモン探しの場所となり、それから知識を得られるどれだけ豊かな文化遺産をもっているか、また、教育、文化的関心が深いロシア国民にゲームがどれだけの文化的教養を与えることができるかにかかってくる。サイバースポーツ連盟がすでにあることは周知の事実だ。つまり、サイバースポーツは今やスポーツとして認知されている。サイバースポーツは十分に発展し、世界チャンピオンすら出現している。つまり、安全な環境におけば。ゲームは涵養することができる。」
ともかくも、ポケモンGOはすでにセンセーションを呼んでおり、すでに今の段階でその現代生活への影響に気づかないのは難しい。
