なお初めて東欧出身の女性が国連事務総長になる可能性がある。
Le Nouvel Observateurは、次期国連事務総長候補のブルガリア人、イリーナ・ボコバ氏について、同氏は女性政治家の地位を強化できるだけでなく、ロシア語にも堪能だと報じた。ボコバ氏は長年にわたって国連教育科学文化機関(ユネスコ)を率い、欧州の言語を複数操るが、モスクワで国際関係を学んだため、ロシア語にも長けている。Le Nouvel Observateurは、これは次期事務総長にとって非常に重要な資質となると評価している。
「イリーナ・ボコバ氏は、ずいぶん前から米国にとって気に入らない存在となった。それはボコバ氏率いるユネスコがパレスチナを承認した2011年のことだ。その時イスラエルと米国は、分担金の支払いさえ停止した。そしてユネスコの予算は事実上4分の1減った。なぜなら米国は予算の22パーセントを負担していたからだ。だが米国は2011年まではボコバ氏を褒めていた。しかし今西側ではモスクワで学んだことが理由でボコワ氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の友達のように考えられ、いつものように誇張されている。そしてこれらは米国と、伝統的に彼らを支持する英国人が、ボコバ氏の選出に反対するために十分なものとなった。彼らは非常にエネルギッシュにボコバ氏に反対票を投じるよう国連安全保障理事会の他のメンバーたちを説得しようとしている。これが1回目の投票に影響した可能性もある。ずいぶん前から有力候補と考えられたボコワ氏は1回目の投票で3位だった。ボコバ候補は確かに利点を持っている。なぜならロシアとの関係のおかげで同氏は安全保障理事会の対抗勢力間の妥協を見出すのが容易になるからだ。ボコバ氏は、異なる視点を調整できる調停役を務める政治家という役目を担うことができる。これは非常に重要だ。だが最終的にすべては国連常任理事国5カ国と、そしてもちろん米国とロシアがどのように合意できるかに左右されるだろう。私は妥協なしにはすまないと考えている。」
「個人的には、いま東欧出身者が国連事務総長のポストに就く可能性をあまり信じていない。なぜなら国連はずいぶん前に西側のための戦いの場になったからだ。そのため新たな事務総長の選出に影響を与える人々の側に傾いているレフェリーが必要だ。なお潘基文事務総長について言えば、彼を認める必要がある。10年にわたってこの重要なポストを務めた間に、潘氏は誰とも言い争いをせず、常に大きな柔軟性、さらには温厚ささえ発揮した。彼は重要な国際問題を解決することはできなかったが、少なくともそれらを悪化させることはなかった。なお国連は現在、客観的な理由によって権威と影響力を失いつつある。そして決定を実現する機関ではなく、討論クラブとなることが多くなっている。いくつかの例外として国連がただの討論クラブでなくなるのは、他の強力なプレーヤーたちがそれに関心を抱いた時だけだ。」