バンドウ氏によると、米軍の朝鮮半島駐留はずいぶん前からアナクロニズムになったという。バンドウ氏は次のように主張している-
「韓国は現在、北朝鮮抑止のために必要なことを全て行う能力があり、さらに北朝鮮に勝つ能力もある。だが韓国は自国の軍を発展させていない。なぜなら米国がリソースを投入し、韓国を守るために自国民の命を危険にさらし続けているからだ。冷戦時代にはそこに意味はあったが、グローバルな対立が存在しない今、朝鮮半島はもはやそのような重要な役割を演じることはなく、いずれにしても米国の安全保障にとって重要な意味を持ってはいない。」
2つ目としてバンドウ氏は、米国の韓国からの撤退は北朝鮮の金正恩第1書記がこれ以上米国に対して攻撃的な声明を表さないことを意味するだろうと指摘し、次のような見解を表している-
「なぜなら金正恩氏はメキシコを脅してもいなければトロントを徹底的に破壊するよう呼びかけてもいない。そしてEUに対してもそのような声明を表してはいない。ナイジェリアやブラジルなどの国々は、北朝鮮を敵リストに加えていない。もし米国が北朝鮮を戦争で脅さなければ、金正恩氏は米国のためにエネルギーを消費することはないだろう。」
バンドウ氏は、金正恩氏を罪のない犠牲者として考えてはならないが、それでも金氏の振る舞いは合理的だと指摘している。圧倒的な軍事力を持つ米国は、それを使って自分たちの望み通りに政権を交代させ、統治を脅かしている。米国が、自国の核およびミサイルプログラムを放棄したカダフィ大佐のリビアを攻撃した後、米国当局者を信じてはいけないことが明らかとなった。
バンドウ氏は、「米国が朝鮮半島から撤退した場合には、北朝鮮が中国に耳を傾けるきっかけがさらに増えることになる。北朝鮮が核兵器やミサイル開発を完全に放棄しないとしても、その数について合意するチャンスが生まれる可能性がある」との考えを表している。