「第一チャンネル」はソ連時代の1986年、グローバル・モスクワという国際テレビ放送システムを使って海外への放送を始めた。その後海外放送の普及を目的に、「第一チャンネル・全世界ネットワーク」が1995年に設立された。現在、第一チャンネルはロシア語放送として最もポピュラーなチャンネルとなり、190カ国におよそ2億5000万人もの視聴者がいると言われている。海外向けの24時間放送は全部で4バージョンある。
ニュー・アイティー・ベンチャー社は「World on demand」を運営している。同社が提供するのはテレビをインターネットにつなぎ視聴するIPテレビサービスで、番組のパッケージを申し込むと、STB(セット・トップ・ボックス)が貸し出され、普通のテレビで様々な海外のチャンネルを見ることができるという仕組みだ。特にネパールやインド、パキスタン、バングラディシュなど南アジアのチャンネルが豊富に揃っている。
第一チャンネル・全世界ネットワークの広報部によれば、契約締結にあたり、ニュー・アイティー・ベンチャー社のカマル・アディカリCEOは「日本マーケットでの大きなポテンシャルを感じます。アジアのホテルは顧客に対してベストなファシリティとサービスを提供しようとしています。私たちはホテルへサービスを提供するために、IPテレビの専門集団として、最も良いチャンネルだけを選び提案しています」とコメントした。
ロシアの第一チャンネルが含まれた海外放送のパッケージは、海外衛星放送IP伝送サービスを使ったアルメックスや、IMAGICA TVといった会社でも提供を行っている。ロシア人を始めとした海外観光客へのおもてなしを意識したホテル向けサービスは、ますます熱を帯びてくるだろう。
個人レベルでの視聴に関しては、アプリやインターネットを通して無料で様々な番組を見ることができるようになっているが、より安定的に視聴したい場合は、Crystal Realityや Sunduk.TVといったロシアの会社の有料サービスを利用するのも一つの手だ。