日本人はいくら金を出してもみんな貯めてしまう!金融刺激策が効き目ない理由は?

© AP Photo / Shizuo Kambayashi, File日本銀行
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安倍首相は世界第3の経済大国の需要をなんとか覚醒させようと再三の試みを展開。内需拡大と実体経済の拡大に日本は28兆円(2億7400万ドル)を費やそうとしている。この額は2016年のロシアの予算(2億4740万ドル)よりも大きい。この話からすると日本には金はあるらしい。ただしこの金にうまく「働いて」もらうことができないでいるのだ。

日本政府の目的は内需が総体で増え、人口も増え、給与も全体的に増えるというもの。普通の人なら新雇用プログラムやら社会保障、低所得支援金ももらえてさぞや嬉しいことかと思うのだが、世論を見るとこの刺激策に対する態度はどうも一様ではない。スプートニクの世論調査では回答者の19%が今の金融刺激策は国民の福祉に危険と考えていることがわかった。しかも41%は策は経済全体に危険なものと危惧し、21%は何のこうも奏さないと見なしている。

​現実の生活は教科書どおりにはいかないことが多い。金融刺激策が思わぬ否定的影響を及ぼすことについて、一連の著名な専門家からは警告が発せられている。野村総合研究所の主席研究員、リチャード・クー氏もそうした一人。「ヘリコプターマネーは通貨の信認を失わせる…。貸借対照表悪化が絶頂に達するとこうした策はまったく機能しなくなる。」クー氏はこう書いている。クー氏は景気後退時には銀行は借り手不足にあえぐと指摘。逆に市民はブラックデーに備えて貯蓄に励むからだ。このため放出された追加資金は直接消費者に撒かれたものも、金融機関に渡されたものも最終的には流通にはまわらず、銀行口座に動かずに沈み込み、借り入れ需要が回復した暁には最高で1500%ものハイパーインフレを起こしてしまう。

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「日本の病」はお金で治るか?

日本経済の貯蓄性の高さが主たる問題であるとはロシアの専門家らも指摘している。コンサルタントグループ「アルバート・キャピタル」のアレクサンドル・オルロフ執行役も「日本人の度を越した貯蓄傾向は破滅的に高い。どんなに金を渡しても、全部預金に回してしまう。日銀は金融ツールをまず国から買い占めてしまい、この資金を予算は自分勝手な裁量でたいていの場合、あまりに効果の低いプロジェクトに、まぁ、大雑把に言ってしまえば社会への公的支援に使い果たしてしまう。修理現場に5人の日本人が旗を持って立ち、車両にむかって振りながら迂回しろと言っているようなものだ。旗を振るだけで5人は予算から支援金をもらう。これは生産に付加価値を生むこともない純然たる浪費だ」と指摘している。

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ロシア高等経済学校、東洋学スクールのアレクセイ・マスロフ学長もスプートニクからのインタビューに対し、「日本国内には金は有り余っている。主たる課題はこれを流通にまわすことだ」と語っている。これを首尾よく行い、付加価値を得ようと思えば、外国の行う本格的なプロジェクトへの投資は絶好の方法だ。マスロフ氏は「日本人はいま、海外投資に非常な関心を示している。そうした先にはロシアも含まれる。だがロシアが欲しているのはグローバルなプロジェクトだ。例えばサハリンとハボマイの間に橋を架ける工事もそうだ。だが日本人が関心を示すのはあまり金を使わないですむ小規模のプロジェクトで、これによってロシアに投じる場合の旨み度を調べようとしている」と説明している。用心深い日本人投資家らがロシアの大型プロジェクトに参加する意志を固めれば、これは間違いなく双方の経済の利益にかなうのだが。

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