スプートニク日本記者は、ロシア極東研究所日本調査センターのエキスパート、ヴィクトル・パヴリャテンコ氏にインタビューし、意見を聞いた。氏は「これはコップの中の嵐だ」と表現し、次のように続けた-
「トランプ氏の人を驚かす発言の数々が、彼が政権の座に就いた時に、実現されるものではないことは、全く明らかだ。もしトランプ氏が勝利しても、ホワイトハウス前庭での最初の演説の中では、もう全く別のことを言うだろう。11月まで2カ月、まだいろいろな動きがある。しかしトランプ氏が勝利すれば、彼は全く別のトランプになると確信している。そもそも米国の政策を決定するのは、大統領ではない。大統領は一定の個人的貢献はするが、それは、国際舞台における国際戦略を決定づけるものではない。」
トランプ氏の選挙キャンペーンで物言いが、いかに挑戦的なものであっても、その背後には、自分達の一定の目的を持つ一定の人達が控えている。いくつかの西側のマスコミも書いているように、このことを、プーチン大統領ではなく、米国の独占資本家や軍人達がよく理解している。
パヴリャテンコ氏は、さらに次のように述べた-
最後に一つ指摘しておきたいことは、7月16・17両日に実施された産経新聞とFNNの世論調査の結果だ。それによれば、調査に参加した人のうち、トランプ氏が次期米国大統領として、日本に肯定的影響をもたらすと考えている日本人は4,1%に過ぎなかった。
日本政府について言えば、彼らはトランプ氏について、あまり真剣には受け止める気分になく、彼の「失策」を指摘するチャンスを逃してはいない。例えば、佐々江賢一郎駐米大使は、トランプ帝が米国とメキシコの間に「長城(偉大なる壁)」をどう築くのかを説明する専門家による聴聞会を今か今かと待っていると、ジョークを交えて述べた。
いずれにしても、トランプ氏は、ああした独特の物言いによって、望むものを手に入れた。現時点で専門家らは、大統領選挙で彼が勝利する確率は47%と見ている。でもつい最近まで、誰も、彼をまじめに受け止めてはいなかったのだ。彼のやり方を何と評したらいいだろう? それは、ひどいものだが、確かに大統領候補になるためには早道だった。