「私たちは本当に幸せです。テニス史全体を通じてロシアは選手団全体の成績としては米国に次いで2位です。これは本当に多くの国がテニスでプレーしていることを考えると、紛いもなく私たちが勝ち取った成功なんです。テニス連盟の数は210もある。つまり競争は本当に厳しいのです。」
スプートニク ロシア人選手に対して偏見的な姿勢は感じられましたか?
タルピシェフ氏「ブラジルでは観客はとても歓迎してくれましたよ。開会式のパレードでロシア人選手団が入場したときもブーイングなどは一切なく、拍手喝さいで迎えられました。つまりロシア人選手団を取り巻く全体的な雰囲気はポジティブでした。個々のスポーツ選手が何かが気に入らなかったとして発言することはどんな競技でもあります。それを気に留める必要はありません。大切なのはオリンピックの精神が完全にスポーツマン精神にのっとったものだったということです! 大きなスポーツの祭典になりました。それに私たちにとっては予期しない嬉しいことがたくさん起きましたからね。女子ハンドボール、水球、レスリング、ボクシングがいい贈り物をしてくれました。」
ところがタルピシェフ氏は、マカロヴァ、ヴェスニナ組はリオでの成功に酔う暇もなかったと語っている。それはどうしてだろうか?
「2人にはこれからデビスカップ、クレムリンカップが控えていますからね。それにリオでさえ、優勝した後、私たちがレストランの門をくぐったのは深夜0時ですよ。深夜2時まで夕食もランチも一緒。朝ごはんの分も前倒しで食べたといってもいいくらい。なぜって翌朝には2人はもう米国に飛んでいましたからね。現地で次の試合があるので。」
「今、テニス界には若い素晴らしい選手らがいます。グランドスラムの18歳以下の試合にはロシアの男女はほぼ全試合を制覇しています。ですから大テニス界のロシア人選手のリザーブは単に大きいというレベルを超えて、巨大なのです。ロシアの若いテニス選手といえば今やここ12年から15年はヨーロッパでは最大です。ですから将来はもう安泰だと思っていますよ。」
ただ残念なことにリオ五輪でのロシア選手団の輝かしい成功もパラリンピック出場停止処分の決定によって影が落ちてしまった。タルピシェフ氏はこの決定での最たるファクターは倫理道徳的なものだとして、次のように語った。
「私はIOCの一員としてこれを非難する立場にありません。ですが普通の人間の観点からすればこれは正しいことではないと思います。それにロシア側にとっては今、課題はこの決定が誤りだったと認められることに集約されています。なぜなら今、ロシア人パラリンピストらを取り巻く状況は全く不公平なものだからです。私たち全員、悔しくてたまりません。」