2016年7月15日、「ベーリングキャット」という名のインターネットコミュニティが、МН17便に関する独自の最終報告を公表した。その結論は、「旅客機は、親ロシア派分離主義者たちが地対空ミサイルシステム『ブーク』で撃墜した」というものだった。報告書はオランダ検察庁に渡された。
一般の人々向けの説によると、「ベーリングキャット」の設立者はエリオット・ヒギンズ氏(ニックネームはブラウン・モーゼ)で、「ベーリングキャット」のボランティアたちは世界中で無償活動しているとされている。しかし複数の消息筋によると、「ベーリングキャット」は米国と英国の情報機関によって招かれ、インターネット上に反ロシア的情報を流すために使われているという。
ロシアのブロガーたちのグループは、「ベーリングキャット」の捏造を調査するために一つになった。先に「スプートニク」は、ブロガーグループが「AntiBellingcat:МН17便に関する公開情報の捏造:あれから2年」と名付けられた文書の第1部をロシア語と英語で公表したとお伝えした。
完全に明らかなのは、この情報発信の目的がただ一つ、ロシア側とドンバスの義勇軍がマレーシア機の悲劇の責任をとらなければならないという世論を形成することにあることだ。扇動者らの思惑では、まさに反ロシア説が、2016年9月28日に公表されるМН17便に関する国際調査委員会の報告書の基盤とならなければならないようだ。
報告書「AntiBellingcat」で集められたデータは、МН17便の墜落が、ウクライナ軍の行動による結果であることを直接的および間接的に物語っている。まさに防空分野のロシアの専門家たちの意見も、それを確認している。
以下、報告書「AntiBellingcat」で証明されている主な状況をお伝えする。
「ボーイング」が白いトレーラーで運ばれた「ブーク」の装置によって撃墜されたという「ベーリングキャット」のあらゆる主張は根拠がなく、「ベーリングキャット」がこの「ブーク」の移動ルートの追跡に成功したというE.ヒギンズ氏の声明は、単純だが、よくつくられた偽物だ。「ベーリングキャット」が主張する、「『ボーイング』が義勇軍の地対空ミサイルシステム『ブーク』1基によって撃墜された」とする可能性は極めて低い。ウクライナの政治家たちは独自の声明を表しているが、ウクライナ軍は2014年7月、ドンバスにかなりの防空部隊を有しており、そこには技術的に航空機を撃墜することができる「ブーク」の完全なシステムも複数含まれていた。
マレーシア航空の「ボーイング」の悲劇にロシア第53旅団のいわゆる「ブーク3х2」(332と思われる)が関与したとする「ベーリングキャット」の非難は、いかなる根拠もない。
報告書はまた、2014年7月17日にザロシェンスコ村周辺からウクライナの地対空ミサイル「ブーク」によって、МН17便の墜落原因となったミサイルが発射されたという情報を確認している。