事実が示しているように、北朝鮮は常に、対外貿易に依存してきた。これは1990年代から明らかになった。北朝鮮が、ソ連邦及び社会主義陣営の存在停止と共に突然貿易の可能性を失った頃である。ソ連崩壊後、北朝鮮の工業は事実上、ストップしてしまったのだ。以降主要な貿易パートナーの役割は、中国が占めてきた。現在では北朝鮮の貿易取引の90%に達している。またこの事は、北朝鮮の対外貿易機関全体の完全な立て直しをもたらし。最終的に中央集権的体制が崩れた。
北朝鮮の対外貿易構造は、ソ連型モデルと非常に異なっている。すでに1970年代終わり、国内では事実上、対外貿易に対する国家独占支配がなくなった。当時多くの国家及び党の機関・施設や巨大企業は、特別に作られた対外貿易会社を通じて、自主的に対外市場に出る権利を手にした。
ここで興味深いことは、しばしばそうした会社には、彼らが設立した企業の活動とは全く関係のないものも含めた、あらゆる商品を扱うことができた点だ。実際そうした会社は、単に何かの商品、例えば、石炭あるいは朝鮮ニンジンなどを国内市場で買い占め、ライセンスを利用して、それらを国外に売っていた。
こうした会社の労働者、通商代表達は、定期的に自分達の企業に、あらかじめ決められた額のお金を納めなくてはならない。その額は多くの場合、およそ3万ドルだ。事実上これは固定された税金のようなものである。なぜなら、大抵会社の指導部は、代表により結ばれる契約をコントロールできないからだ。10年から15年丹東と瀋陽で働いた通商代表の中には、もうだいぶ以前からドルの億万長者も生まれた。
ところが最近、丹東の商人になかに、状況が好転するのではないかとの期待感が広がり始めた。今年7月、韓国が、自分達の領土内に米国のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)を配備する決定を下したからだ。この事は、中国の大きな怒りを呼んだ。それゆえ、新たな条件の下で、中国の人達が、対北朝鮮制裁に積極的取り組まなくなる可能性も排除できなくなっている。