これまでの選挙と今回のそれの最大の違いは?
「国家の大事でなく個人をめぐるこれほどの激情、攻撃性に、いささか驚いている。また候補者のキャンペーンにおける一連の要素については、そのプロフェッショナリズムの低さに驚いている。一例を挙げると、私は議論や討論、選挙に参加した個人的経験があり、公開討論についてどのように合意するか、どのように合意を形成するか、そこにふくみ込むべきパラメーター、照明、観衆、カメラ配置、討論者の衣装、司会者の衣装など、こうしたいろはを学生たちに教えている。一方の候補者が討論に明るい赤色の衣装を着てくれば、それだけでその候補者が有利になってしまう。討論者がどのような衣装を着るか、何ならよくて、何はダメなのか、必ず規定すべきだ」
米国ではハッキングという仰々しいストーリーで選挙へのロシアの介入を非難されているが、これについてはどう思うか。
「実は選挙結果に外部から影響を及ぼすことは不可能だ。ブラジルでもモンゴルでもロシアでも米国でもウクライナでも、有権者登録システムと票集計・伝送システムはインターネットから独立している。外部からのいかなる進入も不可能で、何らの外的影響も受けない、特に保護された通信チャンネルを使うローカルネットワークなのだ。
サイトに影響を与えることはできるが、サイトはただのサイトである。党や中央選管、知事や州のサイトとなると、話は別だ。しかし、有権者登録や票集計といったプロセスに介入することは全く不可能だ。我が国の票集計機械も米国、ブラジル、ベネズエラ、アルゼンチンのそれもいかなるネットワークにもつながらず、ただ落ちてきた票を読み取るだけなのだ。
ハッキングの件は、私見では、相当程度攻撃的な選挙キャンペーンの一要素だ。そこでは論争は喫緊の国際問題や内政、経済、エコロジーでなく、清廉な人であればそもそも言及さえ避けるような事柄をめぐって行われている。この下劣さに個人的には嫌悪感を覚える」
サイトに影響を与えることはできるが、サイトはただのサイトである。党や中央選管、知事や州のサイトとなると、話は別だ。しかし、有権者登録や票集計といったプロセスに介入することは全く不可能だ。我が国の票集計機械も米国、ブラジル、ベネズエラ、アルゼンチンのそれもいかなるネットワークにもつながらず、ただ落ちてきた票を読み取るだけなのだ。
ハッキングの件は、私見では、相当程度攻撃的な選挙キャンペーンの一要素だ。そこでは論争は喫緊の国際問題や内政、経済、エコロジーでなく、清廉な人であればそもそも言及さえ避けるような事柄をめぐって行われている。この下劣さに個人的には嫌悪感を覚える」
© Sputnik / Maksim Blinovウラジーミル・チュロフ氏
ウラジーミル・チュロフ氏
© Sputnik / Maksim Blinov
もし本当に中央選管サイトにハッキングが行われたなら、その害悪はどれほど大きいものとなるか。
「サイトへのハッキングは遺憾ながら現代文明では日常茶飯事だ。ロシアの中央選管サイトも定期的に侵入を試みられるが、防衛システムは相当堅固なので、成功はしない。米国の特務機関もしかるべき防護はできていると思う。しかし、そのサイトは結果を公表するためだけに使われる。これは我々の出したものと違うと言い、修正することはいつでもできる。
一般閲覧可能で国際スタンダードに則った米国大統領選挙関連情報がこれまで通り公開状態にあるよう願う」