ロシア科学アカデミー極東研究所のコリア問題専門家、コンスタンチン・アスモロフ氏は、そうなった理由を、まず二期大統領をやり、その後国民投票を通じて三期目を務め、のちに憲法クーデターを起こし、15年以上も権力の座にあったパク・チョンヒ(朴正煕)氏の例が記憶にあまりに鮮明だったからだと説明している。しかし現在、一期5年では、プラスよりもマイナスの方が大きいとの認識が広まっている。
アスモロフ氏は、次のように強調している-
「どのような場合でも、韓国憲法によれば、新しい修正は、現在のパク・クネ大統領には適応されない。もし何らかの非常事態が起こらなければ、大統領の座にもっと留まりたいとの彼女の個人的希望は受け入れられない。
ただ5年では何らかの長期的プログラム実施は不可能だとの認識は、すでにある。 なぜなら韓国特有の派閥主義により、新しい大統領は、大抵、前任者の方針をすぐ取り消したり抹消したりしてしまうからだ。例え彼らが同じ陣営に属していたとしても、そうした事が起こる。また最初の1年から1年半は、鍵を握る重要ポストに自分の息のかかった人達を配置し、前大統領派の影響を脱しようと時間を費やす。そして任期最後の年は、米国同様、いわゆるレイム・ダック状態に陥る。その結果、大統領が改革に取り組み、何らかの革新的仕事ができる効果的な時間は、2年半に満たない短いものになってしまう。」
ここで再びアスモロフ氏の見解を御紹介する-
「現在、北朝鮮への圧力や経済発展について話すことが単に流行っている。どのような場合でも、次期大統領は、現大統領の政策とは違ったことをするだろう。その際、米国の対ミサイル防衛システム(MD)配備は、最も重要な決定ではない。私は、それを絶対視するつもりはない。なぜなら、韓国領内にはすでに核兵器は配備されており、その後撤去されたからだ。現在パク・クネ大統領の任期が終わるまで、配備を長引かせようと試みられていること、そして一方で特別委員会が、パク大統領の任期終了までに憲法に修正を加えなければならない事は、極めて注目に値する。今後どうなるのか全く分からないからだ。仮にもしこの重大なプロジェクトの準備が間に合わないで、パク大統領の任期終了までにそれらが終わらなければ、つまりその時は、次期大統領がそれらを無効とするか、少なくとも変更することができる。それゆえパク大統領のイニシアチブは、親米的なものではなく、純粋に韓国の主権の問題である。」
ではパク大統領がああしたイニシアチブをとった基本的理由は何なのか? これについてアスモロフ氏は「まず第一に、これは権力争いであり、各党に有力な候補がいないという状況からだ」と指摘し、次のように続けたー
「国連のパン・ギムン(潘基文)前事務総長を自分の方に引っ張り込めるか分からない。なぜなら、保守も野党も、彼を自分の方に引っ張っているからだ。彼が、パク大統領と同じ政策を行うという事実はないが、パン・ギムン氏は、自分の最終的な言葉を口にしなかった。今のところ彼は、来年韓国に戻り、検討し考え、その後で結論を出すと約束したに過ぎない。しかし右派も左派も、パン・ギムン氏は、自分達にとって必要なまさに人物であると見ている。」
なおパク・クネ大統領によれば、大統領の任期延長問題について、韓国当局は、パク大統領の任期が終わる2018年2月までに、憲法に修正を加える準備に取り組む委員会を作るとのことである。