国際舞台や、最も問題のある個別の地域で今日形成された、安全保障分野での情勢をどのように特徴づけることができるでしょうか?
「世界情勢は簡単にはなっていない。世界的な影響力と世界の資源利用を求める競争が強まっている。一連の諸国の過度の野望が、世界各所で全ての新たな挑戦と、安全保障分野での脅威を引き起こしており、それらはすでに、危機的状況の正常化に向けられた2国間、多国間の取り組みを確立するための真剣な障害になった。
我々は依然として、NATOの軍事力拡大、NATOへのグローバル機能の付与、NATO加盟国の軍事インフラのロシア国境への接近、新たな種類の兵器の展開、グローバルMDシステムの構築に対し、自国の安全への脅威として接している。
国際平和と安全保障への前例のない脅威として、国際テロ組織「ダーイシュ(イスラム国、IS)」を含むテロリズムはあり続けている。
ロシアはシリア政府の要請により、2015年秋からシリア領内でのテロリスト殲滅へ活発に関与している。
朝鮮半島で、緊張状態の根源が維持され続けている。北朝鮮指導部行動を米国は自らの関心の元、利用している。北朝鮮の軍事的脅威からの防衛という口実の元、彼らは北東アジアでのプレゼンスを強化しており、韓国や日本との緊密な軍事演習や、地域に自らのグローバルMDシステムを配備しようとするなどといった力の誇示により、情勢をさらに緊迫化させている。
2年前、地域的紛争地帯としてウクライナが加わった。米国政府とEUはキエフでの違憲的なクーデター組織に積極的に貢献した。結果として、同国東部では、ウクライナ政権が自らの義務執行を放棄して、停止することを望んでいない内紛がくすぶっている」
あなたは世界で起きていることの、極めて容易ではない情勢を描きました。ロシアは、伸びゆく挑戦や脅威に直面しながら、品位を落とさずにいられるでしょうか?
「現在の世界情勢がどうあれ、ロシアは一貫して世界の安全保障の自らのビジョンを実現し続ける。その本質は簡単だ。国際法の優位性、国連が主導する国際機関による既存の枠組みの中での対立の平和的解決の優位、密室協定と一方的行動、ブロック政治の非承認、主権国家の内政干渉の非容認だ。
国家安全保障への挑戦と脅威を特定する組織的な取り組みが行われている。CIS、集団安全保障条約、上海協力機構、BRICSの枠組みの中で対話が進んでいる」
米国は依然として反ロシアレトリックを注入しており、ロシアに友好的な諸国に対して前例のない圧力をかけています。米国のMDシステムの一部がポーランド、ルーマニア、韓国に配備されています。国際安全保障の目下の問題に関する、米露の建設的な協力関係が回復する可能性はありますか?
「我々には、平等とお互いの利益の相互尊重に基づいて、米国のパートナーと協力する用意がある。
現在のところ、ロシアは米国の安全保障に対する主な脅威に名を連ねている。米国が国家安全保障戦略でロシアを、ダーイシュやエボラ出血熱と同列に置くなど、どのような基準で米国が考えているのかと、我々は驚かざるをえない。
想像上の「ロシアの脅威」からの防護策は問題を提起する。あなたはMDシステムの一部が我々の国境近くに配備されたことに言及した。この装置からは、ロシアの戦略的インフラ施設の多くを射程距離内に収める巡航ミサイルを発射することができる。米国はもちろんそのような可能性を否定するが、現実的な根拠を提出することができていない。
現代史の経験が示すところ、露米相互関係は遅かれ早かれ通常運転に戻る。況や、相互関係の更なる悪化はロシアの利益にも米国の利益にはならないのだから。」