雨宮さんは福岡出身の40歳。大学進学で上京した後、エロ本の編集者を経てフリーのライターになった。本人はAV作家を名乗っていたが、流行語「こじらせ女子」を生むほど話題を呼んだ『女子をこじらせて』(2011年ポット出版)は単なるエロ本の枠を超え、女性であるが故の生きづらさ、痛みを書いたとして共感の声と同じだけ反発の声も呼んだ。
生前の雨宮さんの文章は、ご本人が40歳をひとつの節目とする強い意識を持っていたことがうかがわれる。
「要するに、 40 歳になれば、自然と肩の力の抜けた、いい感じの女になれるんじゃないか、という幻想があったのである。そして、もちろんそれは、ただの幻想だった。」
「いつまでも若い人でいたいわけじゃない。もうババアですからと自虐をしたいわけじゃない。私は私でいたいだけ。私は、私のままで、どうしたら私の『40歳』になれるのだろうか。そしてどんな『40歳』が、私の理想の姿なのだろうか。
そういうことを、40歳を迎える今年、書いてみたい。」