バイオプリンティングは生きた皮膚、臓器を3次元バイオプリンターで印刷する技術。まず印刷したいものの特徴を完全に備えたコンピューターモデルが作られる。それから幹細胞を使っていわゆるスフェロイドが作られる。球状のコングロマリット細胞だ。これがバイオインクとなる。つまり新臓器の素材だ。印刷された3次元構造体は試料を備えたバイオリアクターにかけられる。そこでスフェロイド相互間の擦り合わせが行われ、マイクロ繊維が形成される。同時に使用済みバイオジェルの洗浄も行われる。
3Dバイオプリンターの最初の量産型は2009年に開発された。米企業オルガノヴォと豪州インヴェテクによるものだ。ロシアには独自のイノベーションがあった。国産機械の設計で培われた独自のノウハウで外国産に対する一連の優位性が生まれた。第一にそれは現在明らかになっているバイオ印刷方法全部を使う可能性だ。スプートニクに「3Dバイオプリンティング・ソリューションズ」経営パートナーのユセフ・ヘスアニ氏が語った。
「私どものプリンターは細胞もスフェロイドもバイオジェルも印刷できる。5つのインクジェットをもつため、3つの異なるタイプの細胞を必要な配合を作りつつ印刷できる。残りの2つは段階的ハイドロジェルの押し出しに使われる。それからもうひとつ。世界に存在するバイオプリンターの95%がハイドロジェルと細胞だけを印刷する。この技術では細胞相互間の遠隔性が大きすぎ、必要な皮膚の密度が達成されない。しかしロシアのバイオプリンターは世界で最も密度が高く、天然のものと印刷臓器が理想的に近似する」
ロシアの「3Dバイオプリンティング・ソリューションズ」社による最初のプリンター「ファビオン」、価格は1500万ドル、現在のレートで21万ドル。外国産の価格は大体20万から100万ドルだ。つまりあらゆる世界ランキングで安定的に世界5位に入っている国産3Dプリンターは低い価格帯に属するのだ。それもまた競争優位性である。
需要は国内外にある。最初の商用「ファビオン」は米国に送られる。購入者は有名な大学、スタンフォードとハーバードだ。ロシア企業はこれら大学と緊密に協力している。