日本でM9地震は起きる、2011年前に予見していたロシア人学者、再発の危険性を語る

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福島県の沿岸部でマグニチュード7.3という大型地震が再び発生。気象庁は津波警報を出したものの、幸いなことに波の高さは60センチほど高くなっただけで津波は起きなかった。また福島第1原発でも損壊などは起きていない。

津波 - Sputnik 日本
日本、津波警報が解除
福島県周辺の住民の記憶には2011年3月11日のあの東北地方太平洋沖地震があまりに強烈に刻まれている。日本史上最大の揺れはおびただしい数の犠牲者を出した。地震は福島第1原発に技術災害ももたらし、周辺部に高濃度の放射性物質が漏れ出した。この原発が災害から受けた影響は原子炉が封鎖されているとはいえ、今日に至るまで克服されていない。

こうした中で今回の地震は2011年のあの破壊的な東北地方太平洋沖地震の余震だというニュースが飛び込んできた。

スプートニクはロシア人地震学者で地球物理学研究所の学術員のアレクセイ・リュブシン氏にインタビューし、福島周辺でどれだけのパーセンテージで余震が繰り返されるかについてコメントを求めた。

「この地域にある深海の海溝の沈み込み帯(2つの地殻が出会い、下の地殻がマントルにもぐりこもうとしているゾーン)にとってはマグニチュード7.3の揺れは普通のことだ。つまり大破壊が起きるかどうかという点では、この地震は異常な事態でもなんでもない。

だが今回の地震は2011年に地震が起きたのとまったく同じ地域で発生した。このため、確かにこれが余震であると考えられる。なぜならこれだけのカタストロフィーを招いた大地震の後では余震活動は数十年単位で続く可能性があるからだ。ここ数日に発生した地震は地殻に亀裂が入るプロセスが続いているものと捉えることができる。これは地殻がこの地域の新たな均衡の状態に入ろうとしているため起きているのだ。」スプートニクはロシア人地震学者で地球物理学研究所の学術員のアレクセイ・リュブシン氏にインタビューし、福島周辺で大型地震が繰り返される危険性について、技術災害の再発防御についてコメントを求めた。

東北の地震の後、日本では全ての原発の運転が一時凍結された。だがその後再び、徐々に運転が再開されている。これまでの5年間、2011年のあの原発の惨事を繰り返さないために必要な措置は果たして全てが採られたのだろうか?

リュブシン氏「日本の原子エネルギーの安全についてはすでにずいぶん前の段階で技術災害が起きた主たる原因は明らかにされたと思う。第1にそれは津波から守る防御壁が十分な高さではなかったことだ。波は壁を乗り越え、破壊の限りを尽くした。火災が発生したがポンプが作動しなかったため消し止めることができなかった。防火用の設備が故障したのだ。

日本はこの辛い経験に学び、防災設備を全てチェックし、防御壁も高くしている。この間に稼動が凍結されている原発もミスのチェックは全て終了し、必要な防御策がとられたものと確信している。」

それでも2011年の悲劇の原因が日本人の油断であったということはあるまい。フクシマであれだけの技術災害が発生したというのは一体どの要因が決定的な役割を果たしてしまったのだろうか?

リュブシン氏「日本の学会に参加した時、そこに過去に日本で起きた大型地震の痕跡を研究している古地震学者と知り合った。私の、マグニチュード9の地震はありえるかとの問いに彼はそこまでの地震は相当稀な現象だと答えた。過去千年、日本でそうした地震は起きていない。これが理由の1つとなって、日本は原発を設計する際にこれだけ大型の地震が起きること、そしてこんなに高い津波が伴われることを想定してこなかったのだ。

私は2011年より前、サンクト・ペテルブルグでの学会の席で日本でマグニチュード9の地震が起きる危険性はあると断言していた。この発言に他の地震学者らは反発し、私の予測は間違っている、日本の地理的構造からマグニチュード9の地震が起きることはないと否定したのだが、結局は彼らは誤っていた。」

リュブシン氏は日本滞在で、あるとき古代の石を見つけて大きく心を奪われたと語っている。その石は日本の海岸沿いで山が迫るあたりにあり、「この石より低い土地には家を建てるな」と警句が刻まれていた。石は日本人の先祖が子孫に残した訓戒だったのだ。今日人間はこうした古代の知恵と科学を結合することを学んだ。だが地球の秘密を全て解き明かすことなど果たして可能だろうか? おそらくそれは不可能だ。だが今までの悲劇を繰り返さぬよう、遅れずに過ちを訂正することはできるのだ。

 

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